2013年6月19日水曜日

ケニアGEM EAST村 コミュニティセンター建設計画(3) 女性のエンパワーメント



今回はfacebookでのお友達ローレンス君の投稿をご紹介します。
ローレンス君は、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤのケニアでの協力団体RUNELDのメンバーです。
医療キャンプを実施している農村ゲム・イースト村の重鎮、エリアス牧師の息子さんで、大学生です。
ローレンス君は真面目で、RUNELD以外にもいくつかの団体に所属して、地域のための活動を熱心にやっているようです。
そんな彼が、とても説得力のある文章を投稿したので、以下にご紹介させて頂きます。

これまで疑問に思ったことはある?
統計によれば、男性は一般に女性に比べて危険な性的な行動を取ることが多いことが分かっている。例えば、複数の女性と性交渉を持つことが多いとか。でも、だったら何故女性の方がより多く感染するのだろうか?

理由は大きく二つ挙げられる。

色々な理由が考えられるけど、生理学的な理由と社会経済的な理由だ。

 精液中のウイルス量は、膣粘液よりも多い。
膣の膜は、陰茎内のそれよりも薄い。

精液が膣内に長く残るために、女性の方が
顕微鏡的病変を生じやすい

社会経済的な観点から見ると、以下のようなことが挙げられる。

女性は痛みや不快感を受け入れる。
子供を産まなくてはならないという社会からのプレッシャー。
若い女性/青少年の社会的な脆弱性
女性は性的な問題の知識を欠いていて、そのことについて意見を表明できない。
安全なセックスをパートナーに要求できない。

この深刻な状況に対処する唯一の方法は、性的関係やそれらを取り巻く事柄に対して、より積極的な役割を担うことができるように、女性の地位を向上させることしかない。

もし、あなたがケニアの母親、若い女性や女の子のことを考えてくれるとしたら、それはすなわち私たちのコミュニティ全体の健康について真剣に懸念していることになります。

スラムの女性が自分たちでもできる経済活動を始めることを通じて、積極的に生き、相互扶助のグループを運営するための3日間のトレーニングを受けられるように支援して下さい。
このトレーニングは女性たちが健康的な方法で所得を得る技能を身につけ、そして自らの威厳と尊敬を回復するものです。彼女たちのほとんどが現在従事している仕事、すなわち売春やストリップダンスよりもよい機会を彼女たちに与えようとするものです。



ケニアあるいはアフリカにおけるHIV/エイズ感染の広がりと、それに関連した社会の有り様をわかりやすくまとめた文章だと思い、このブログでも紹介させて頂くことにしました。
RUNELDはその活動の重点を、女性やエイズ孤児のエンパワーメントに置いています。
女性や子どもたちが村の活動に能動的に参加することによって、村の有り様を変革しようとしています。
上記のローレンス君の文章は、こうしたRUNELDのポリシーを裏付けるケニアの現実を表していると言えるのでしょう。


エイズ動向委員会報告によれば、平成25年3月31日現在の日本国籍を有する人でHIV感染者は12,266名。その内訳は男性が11,449名、女性は817名です。
日本においては、HIV感染者の約93.3%が男性です。

一方、日本ユニセフ協会の 「子どもとエイズ」世界キャンペーン、ファクトシートによれば、ケニアの感染者の男女比は1対5とあります。80%以上が女性ということです。

男性よりも女性の方が感染しやすいことは日本でもケニアでも変わりないでしょう。
違うのは明らかに“社会経済的”な環境 ではないでしょうか。
私は女性のエンパワーメントは、日本も含めて世界中で必要であると考えています。しかし、こうしたHIV/エイズに関する状況を知ると、ケニアにおいて求められているエンパワーメントは、質的にも切迫性においても全く異なると感じます。

上記のユニセフのページにはこのように書いてあります。
サハラ以南のアフリカでは、特に若い女性たちにHIVを予防する知識が不足しています。この地域で、自分を感染から守る方法を知っているのは、15~24歳の女性の23%にとどまっています(同年齢の男性は31%)。ベニン、チャド、マリでは、10%未満です。
これらの国々の罹患率が高いのは、HIV/エイズとその感染路についての総合的で正しい知識を持つ人の割合が低いからと言えます。

ローレンス君の書いたような話はなかなかしづらいものです。男女の問題、性的な事柄はタブーに属すもので、特にアフリカではその傾向は顕著です。
しかし彼が書いているように、ケニアの女性の問題は、そのままコミュニティ全体の問題なのです。彼を含めてRUNELDのメンバーはそうした問題意識を持って、女性と子どもへのエンパワーメントを通じてコミュニティの生活改善を目指しています。
そのための拠点として現在計画しているコミュニティセンターがあるのです。

皆様、どうぞご協力をお願い申し上げます。

コミュニティセンター建設募金のご案内
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf






0 件のコメント:

コメントを投稿