2014年10月21日火曜日

ケニア・医療キャンプのご報告


2014年医療キャンプ

私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月12日(金)から23日(火)の日程でケニアに行き、ヴィクトリア湖近くの奥地の農村ゲム・イースト村にて5日間の医療キャンプを実施して参りました。2010年から毎年9月に同じ村を訪問しており、今年で5回目です。総勢18名で、内科、小児科、皮膚科、歯科、採血、鍼灸、薬局という構成でした。
ゲム・イースト村はニャンザ州ホマベイ県に属しています。この地域はケニアの中でも特にHIV感染率の高いところで、私たちは診療とあわせて村の人たちにHIV検査の受検を奨めています。こうした農村では、無知や偏見からHIVはタブー視されることも少なくないのですが、今年は自らHIV検査を受けたいと希望する人もあり、ずい分啓発が進んだ印象がありました。

採血の様子

 

コミュニティセンターの建設

今年のキャンプでの最大の変化は何と言ってもコミュニティセンターが建ったことです。
2009年にアサンテ ナゴヤが初めてゲム・イースト村を訪れた時、現地のチャリティー団体ルーネルドのエリアス牧師が村に必要なものとして挙げたのが『コミュニティセンターの建設』と『クリーンな水』の2つでした。
建物を建てるというのは、私たちのような小さなNPOにとっては大変なことですし、夢のような話だと思っていたのですが、エリアスさんの方は本気でした。建設図面や見積もりを送ってきていたのですが、2012年には自ら村に土地を購入されました。私たちもその情熱に動かされ、2013年に募金を実施し、その資金を基に今年の春にセンターは無事竣工いたしました。

ケニアから送られてきた建築パース

これまでは野原にテントを張り、地面に直接机や椅子を置いて診療をしていました。
これはなかなかに過酷で、テントがあってもアフリカの太陽は容赦がありませんし、地面はでこぼこですので、机はガタガタして不安定でした。暑さのために体力を奪われて、体調を崩すこともありました。今年は全員が全日程休むことなく参加できたのですが、実はこれは画期的な事でした。
下の写真は昨年の採血の様子です。採血の担当の方はベテランで難なく仕事をこなしているように見えましたが、実際はかなりやりづらかったはずです。野外ですので、風でカルテが飛んで行かないように気を付けていないといけませんでした。

2013年の採血の様子

 

ゲム・イースト村に保健医療のための施設を

建築工事中も落成後もケニアから写真が送られてきていましたので、建物の様子はわかっていましたが、9月に医療キャンプのために村を再訪して、赤い屋根の建物が出来上がっているのを見たときは本当に感激しました。こんなに早く建物が出来上がるとは思ってもいないことでした。
センターのおかげで今年のキャンプはスムーズに運営され、受診者のトータルは昨年の4割増でした。

センターの目的はもちろんキャンプのためだけではありません。
今後、いかに稼働させていくかが課題です。医療から隔絶した環境にある村の人たちが安定的に診療や検査を受けたり、健康に関する情報を得られるような施設として運営していきたいと考えております。そのためにまず政府に公の『ヘルスセンター』としての認可を受けることが目標です。
ケニアの医療制度には課題が多いと聞いています。とりわけゲム・イースト村のような僻地の農村は政府の医療政策においても後回しにされがちだとのことです。
私たちの自立支援もセンターが完成したことでようやく第一歩です。これからもルーネルドとしっかり話し合い、現地の人たちに本当に役に立つ支援を続けていく所存です。今後とも私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

完成したコミュニティセンター



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