2017年5月14日日曜日

2017年度通常総会を開催いたしました

平素より、私たちNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動をご理解・ご支援賜わり、誠にありがとうございます。

本日2017年5月14日(日)、名古屋市昭和区の精霊病院内『聖霊ホール』にて、2017年度通常総会を開催しました。
多くの会員の皆様方のご出席と委任状による代理出席を頂き、総会は有効に成立いたしました。

総会では、昨年度の事業報告、決算報告、今年度の事業計画案、予算案の提示をさせていただき、全会一致にてご承認いただきましたことをご報告申し上げます。

今後ともアフリカ支援 アサンテ ナゴヤをどうぞよろしくお願い申し上げます。

2015年3月5日木曜日

井戸掘削募金のご報告と募金の継続のお願い

募金総額3,987,611円をお預かりしました。(3月5日現在)

 

平素はアフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動にご理解とご支援を賜わり、厚く御礼申し上げます。
昨年11月より『ケニア・ゲムイースト村井戸掘削募金』を実施して参りました。上記の通り、3月5日現在で3,987,611円の募金を頂きました。皆様方の温かいお志に心より感謝いたします。

『井戸掘削募金』はアサンテ ナゴヤが2009年より支援を続けてきたケニア奥地の農村ゲム・イースト村にクリーンな水を供給できる井戸を備えることによって、昨年建設が完了した「コミュニティセンター」を公的な医療機関である「ヘルスセンター」に昇格させ、それによって医療から隔絶されている村の人たちの生活を改善することを目標としたものです。

井戸掘削の総事業費見込金額は約500万円(3,750,000ケニアシリング相当)です。
これは井戸掘削だけでなく、地質調査費、動力付きポンプ、貯水タンク、水質調査費、当面の運営費等も含んだ金額です。井戸といえば、手動のポンプで汲み上げるものと思っていた私たちも、想定以上に大規模な事業に当初は驚きました。
現地は地下水は豊富なのですが、地下に厚い岩盤があり、その岩を掘削しなくてはクリーンで豊富な水源には到達できず、そのためには少なくとも100mは掘らなくてはなりません。その深さになると手動ポンプでは対応できず、電動ポンプと貯水タンクが必要です。これらの設備があれば村の人たちにクリーンな生活水を供給でき、衛生面で大きな改善が期待できます。

募金目標金額は300万円としました。
実は募金と同時期にある助成金を申請していました。その助成金100万円とアサンテ ナゴヤの資金から100万円を出費し、合計で500万円をケニアに送る計画でした。まだ受けることの決まっていない助成金を当てにして予算を組んだことはあまり自慢できることではありませんが、コミュニティセンター建設資金やその後の現地での啓発活動(HIV/エイズ等の健康に関する正しい知識を伝え、迷信や偏見を打破することを目的とした活動です。)を支援するなかで、アサンテ ナゴヤも資金的な見通しが厳しくなっているのです。それでも皆様の温かいお志で建てることのできたコミュニティセンターを医療と情報を提供する場として有意義に活用していくためには、井戸の掘削が必須であると判断し、2013年の建設募金に引き続いて、井戸掘削募金の実施に踏み切りました。


建設募金にご協力いただいたばかりであったにもかかわらず、多くの皆様方から『井戸掘削募金』にご協力をいただきました。寄付をくださった方々の殆どはゲム・イースト村に行かれたこともなく、私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤを信頼して、貴重なお金をご寄付くださいました。私たちはその信頼を損なうことのないよう、これからも誠実に事業を進めていく所存です。

申請した助成金については残念ながら落選してしまいました。海外の事業に対する助成金はそもそも少なく、とりわけ私たちのような小さな団体が申請できるとなるとなかなか見当たりません。そうなると目標金額と募金額との差額をアサンテナゴヤの資金でまかなうということになります。実は2月13日の段階での募金総額は約243万円でした。もちろんこれは大きな金額です。それでも総事業費の半分以下です。

アサンテ ナゴヤのメインの活動は毎年実施している医療キャンプです。日本からケニアに行って、短期間とはいえケニアの人たちに直接医療を提供する医療キャンプ無くしてアサンテ ナゴヤは考えられないように思います。資金が枯渇してしまっては、医療キャンプの継続が困難になってしまいます。
そこでアサンテ ナゴヤの会員の皆様、ご支援くださってきた方々、募金にご協力くださった皆様方に再度ご協力のお願いを送らせていただきました。アサンテ ナゴヤは本当に恵まれております。この厚かましいお願いに多くの方がご協力下さり、それから毎日にように募金のお振込を頂きました。おかげさまで、本日までで約400万円もの大きなお金を預からせていただきました。本当にありがたいことと、深く御礼申し上げます。

井戸掘削は現地の専門の会社に発注します。現地ではお金が届き次第、調査~掘削を開始する準備ができているとのことです。工期のこと、井戸の運営のことなど、現地協力団体ルーネルドとしっかり打ち合わせをして、事業を進めてまいります。

募金に関しましては、今後も受け付けを続けさせていただきます。
井戸の運営がゲム・イースト村で自立してできるようになるまでの支援ができたらとも思いますので、どうぞご協力いただきますよう、皆様の温かいお志をお待ち申し上げております。

§募金の納付方法 
特設の郵便振替口座へのお振込みにてお願い致します。
郵便振替口座 00850-8-123586 
口座名義   アサンテ ナゴヤ募金
 
 

 



2015年2月10日火曜日

ケニア農村におけるお灸プロジェクト

平素はNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動にご理解とご協力を賜わり、厚く御礼申し上げます。

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは昨年11月より『ケニア・ゲムイースト村井戸掘削募金』を実施しています。
http://asante-nagoya.com/ido-bokin.pdf
§ 募金目標金額300万円(総事業費見込500万円)
井戸掘削、地質調査費、水質調査費、動力付きポンプ及び貯水タンク建設費、備品購入費、当面の維持費等の見込み金額です。
§募金の期間  平成27年2月28日まで
§募金の納付方法 
郵便振替口座 00850-8-123586 
口座名義   アサンテ ナゴヤ募金

皆様の温かいお志をお待ち申し上げております。


モクサアフリカとのコラボレーション

さて、今回ご紹介させていただくのは、ケニア奥地農村でのお灸のプロジェクトです。
私たちアサンテ ナゴヤは2009年よりゲム・イースト村にて無料医療キャンプを実施して参りましたが、村の人たちの日常的な健康管理が大切であることは言うまでもありません。

そのために鍼灸チームとして何かできることはないかと考えていたところ、イギリス鍼灸師のチャリティーグループであるモクサアフリカと出会いました。
モクサアフリカはウガンダと南アフリカにおいて薬剤耐性結核患者に、日本独特の直接灸を指導しています。

モクサアフリカのHP
http://www.moxafrica.org/




ごく小さいお灸を肌に直接すえる直接灸。
明治国際医大学のサイトから写真をお借りしました。
 

モクサアフリカの方々と打ち合わせを重ね、昨年2014年のアサンテ ナゴヤ医療キャンプでは、現地のヘルスワーカーにお灸の指導をし、もぐさなどの道具を寄贈して参りました。


できたばかりのコミュニティセンターの治療室で、RUNELD
のメンバーにお灸を指導しているところです。


ケニア・アセンボ村でのお灸治療

もぐさとお線香、マッチ、ツボのテキストなどをRUNELDのメンバーに預け、彼らに村の人たちにお灸を教えるように頼んできました。
とはいえ、実際にはなかなか難しいだろうと思っていました。

ところが先日、ルーネルドの理事でHIVカウンセラーであるダグラスさんからレポートが届きました。
彼は自分の故郷のアセンボ村の診療所と協力して、村の人たちにお灸を教えているというのです。
結核の投薬を受けている男性、HIV陽性の女性、生理不順の女性の3名の写真を送ってくれました。
まだお灸を始めて間もないということで、はっきりとした効果は表れていないということですが、ぜひ根気強く続けてもらいたいものです。彼らの状態が少しでも改善すれば、他にもやってみたいという人も出てくることでしょう。これからが楽しみです。




2014年11月14日金曜日

ケニア奥地の農村ゲム・イースト村にクリーンな水を供給したい

「トイレよりも携帯電話を持っている人の方が多い。」




water.orgは俳優のマット・デイモンが共同設立者であるチャリティーグループで、世界で8億の人々が清潔な水を手に入れることができない状況を変え、すべての人々が清潔な水を手にすることができる世界を実現しようとしています。

この「トイレより携帯電話」という状況は、私が初めてアサンテナゴヤのキャンプに参加させて頂いて、ゲムイースト村に行ったときから個人的に感じていることです。
ケニアでも携帯電話会社の広告がいたるところに掲示されていて、医療キャンプにやってくる村の人たちも携帯を持っています。その割合は年々高まっていることを実感します。

村には通信手段がありませんから、携帯電話があることで大いに便利になっていることは疑うべくもありません。
またケニアには「エムペサ」という携帯電話を使った画期的な個人間送金システムがあります。金融機関の口座など持っていない村の人が、都会に出稼ぎに行った家族からの仕送りを受け取ったりするのに活用されているシステムです。携帯電話が村の人たちの暮らしに必要不可欠であることは論を待ちません。

一方で、キャンプに行くバスから村を眺めていると、道路脇にしゃがんで用を足している子どもを見るのは毎日のことです。
また、ナイロビにある世界最大のスラム「キベラ」には100万人が暮らしているのに、共同トイレはわずか600個で、しかも危なくて使えないということです。道端で用を足したり、ビニール袋に出して、その辺に捨てたりするとのことで、大変不潔です。

トイレと携帯電話を比べるのもおかしな話なのかもしれませんが、水も電気もない村でみんなが携帯を持っているのを見ると「順番が違うのではないか」と素朴に思ってしまいます。

ゲム・イースト村にクリーンな水を



前回のブログでも書きました通り、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤはゲム・イースト村コミュニティセンターの敷地内にてクリーンな水を供給できるようにしたいと思っています。
センターには水洗トイレの設備がありますが、現在は水が通っていないため無用の長物です。この点はルーネルドのエリアス牧師も力説されていたポイントです。
幸いゲム村は地下水には恵まれたエリアにあります。ただし固い岩盤を貫いて、深い井戸を掘らなくてはなりません。
井戸を掘るにあたっては、専門業者が事前にしっかり調査をして、掘削に取り掛かることになります。
今後、しっかりと打ち合わせをして計画を進めていく所存です。何卒皆様方のご理解と温かいご支援をお願い申し上げます。



NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤでは、ご入会、ご寄附のお申し込みを常時受け付けております。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ 入会のご案内
 

2014年11月9日日曜日

コミュニティセンター開所式



アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月16日から20日までケニア奥地の農村ゲム・イースト村にて無料医療キャンプを実施しました。
今回は現地にコミュニティセンターの建設が完了しており、室内での診療となりました。昨年まではテントを張って地面に直接机や椅子を置いての診療でしたから、今年は大きく環境が改善され、従来よりはるかに多くの人たちに医療を提供することができました。

私たちは現地のNGOルーネルドと協力して、キャンプを実施しています。現地団体の協力無くして、外国人である私たちがアフリカの農村で医療活動を実施することは不可能です。
今回、ルーネルドはキャンプ中にケニア政府の高官や医療行政責任者、ゲム・イースト村の人たちを招いて、コミュニティセンターの開所式を催しました。
センターの建設そのものは3月に完了していたのですが、ルーネルドとしてはキャンプの最中に式を行うことで、最大の支援者であるアサンテ ナゴヤの存在を政府の人たちにアピールできると考えたのであろうと思います。

州政府の政治家と医療行政の責任者
 
余興のお芝居

 
 
ケニアで提供されている保健サービスは6段階に分けられています。簡単にいうと、レベル 1 はコミュニティ・ヘルスワーカー、2 は簡易診療所、3 は診療所、4 は県立病院、5 は州立病院、6 は国立病院という感じだそうです。
ルーネルドはゲム村のセンターをレベル3の診療所、ヘルスセンターとして村の人たちに日常的に医療提供できるようにすることを目標にしています。
ケニアの医療状況にはかなり問題があるようで、首都ナイロビと地方都市の格差も大きいと聞いています。ゲム村から7キロほど離れたところにはヘルスセンターがあり、アサンテ ナゴヤが滞在しているキシイという町にはレベル5の病院もあります。村からそうした医療機関に出向くのは大変なのですが、医療従事者や薬剤が不足しているため、なけなしのお金を費やしてわざわざ出かけても他に回されてしまうこともあるようです。
 
そのような状況の中で、村の人たちの保健状況を改善するために、コミュニティセンターという拠点がまず必要でした。センターがあれば、政府に医療施設として認定してもらうための申請ができます。政府の認定が得られて、ヘルスセンターとして認められれば公的な医療支援が受けられるということです。
ゲム・イースト村のような僻地の農村はこれまで後回しにされており、十分な公共サービスが得られずにいました。だからこそルーネルドのような地域に根差したチャリティーグループが必要とされているのです。その意味ではヘルスセンターとして認可されればすぐにゲム村に日常的に医療が提供できるようなことは期待できないかもしれません。ケニアの医療状況はそれだけ困難が多いようです。
 
今回ルーネルドは州政府と交渉し、ヘルスセンター申請への協力の約束を取り付けました。これは彼らの努力の結果です。
今後少しずつでも医療の提供ができるよう、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤとして引き続き支援をしていきたいと考えております。
 
ヘルスセンターとして認可されるためには建物にクリーンな水と電気が供給されていることが条件です。ルーネルドの理事でゲム村の有力者であるエリアス牧師との話し合いで、電気については自分たちで考えるので、井戸の掘削についての支援をお願いしたいという申し出があり、アサンテ ナゴヤとして前向きに検討しております。
計画の実現にはアサンテ ナゴヤを支援してくださる皆様方のご理解とご支援が必須です。今後とも何卒よろしくご支援のほどお願い申し上げます。
 
村にある浅い井戸から汲んだ濁った水

濁った水をペットボトルに入れて飲んでいる子ども


NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤでは、ご入会、ご寄附のお申し込みを常時受け付けております。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ 入会のご案内
 

2014年10月27日月曜日

コミュニティセンターの建設








ルーネルドとの出会い

前回の投稿でご紹介した通り、今年アフリカ支援 アサンテ ナゴヤが実施したゲム・イースト村無料医療キャンプでは、完成したコミュニティセンターを活用しての医療活動を行いました。
センターの建設がどのように進んだかを振り返ってご紹介いたします。

アサンテ ナゴヤがゲム・イースト村を訪れたのは2009年の春です。
ゲム・イースト村はニャンザ州の農村でナイロビから300キロ以上西方にあり、ヴィクトリア湖からは数十キロ内陸になります。
ケニア地図 クリックして拡大してみて下さい。

アサンテ ナゴヤのメンバーは、それまでナイロビのスラムでの医療活動の経験はありましたが、奥地の農村に行ったことなどありませんでした。よく思い切ったものです。
ゲム・イースト村で出会ったのが現地チャリティ団体ルーネルドです。理事のエリアス牧師の高潔なお人柄には魅せられました。この素晴らしい出会いがあったからこそ私たちのボランティア活動が今日まで続いていると言えます。

その時に村に必要なものとしてエリアス牧師がまず挙げられたのが、コミュニティセンターの建設とクリーンな水の供給でした。
アサンテ ナゴヤからは、まず病人を医療機関に運ぶ足が必要であろうと言うことで、一宮ライオンズクラブ様のご協力により車両を寄贈しました。このバンは大活躍しており、今回のキャンプでもフルに活用しました。



その後、エリアス牧師から私たち宛にセンターの図面と建設パースが送られてきましたが、私個人は将来的な課題という認識でした。

 建設用地の取得

計画が動き出したのは2012年です。アサンテ ナゴヤは2010年、11年と2回の医療キャンプを実施した実績がありました。その時までは村の中心の広場を借りて、キャンプ会場としていました。
2012年にエリアス牧師が村に土地を購入され、そこにテントを張りました。センターの建設用地として想定していることは明らかです。この土地の購入はアサンテ ナゴヤに対する信頼の証と考え、私たちはセンターの建設を真剣に考え始めました。

2012年のキャンプ。朝から長蛇の列でした。  

 帰国後、ルーネルドとeメールを通じて打ち合わせを繰り返し、ケニアの医療制度などの情報を集め、彼らが何を望んでいるのかを理解しようと努めました。
 コミュニティセンターはヘルスセンターとして認定してもらい、医療機関として村の人たちに医療を提供するとともに、村のシンボル的な建物として村の集会所、健康に関する情報発信の場として機能することになるでしょう。

内科などの診療に使ったホール。
集会所として使えます。
  

鍼灸の診療に使った小部屋。
診療、検査、カウンセリングなどに使います。

建設募金

2013年の5月からアフリカ支援 アサンテ ナゴヤはコミュニティセンター建設募金を実施しました。
皆様の温かいお志を賜わり、目標を大きく上回る約260万円を現地に送ることができました。募金に加え、個人的に託されていたお金を合わせて建設資金としてルーネルドに託し、センターの建設が始まりました。

2013年のキャンプの際にはすでに建設工事は始まっていました。
工事はエリアス牧師が責任を持って進められました。建設会社に請け負わせる代わりに、自ら資材を購入し、直接村の人たちを労働者として雇用することによって、資金の使途を明確にし、工期も短くすることができました。ルーネルドは定期的に領収書のコピーを送ってきましたので、私たちは資金がきちんと建設のために使われていることがわかりました。

2013年9月のキャンプの時の様子 

2013年10月 壁が出来上がっています。

2013年12月 屋根、窓、扉が付き、建物らしく
2014年3月 ほぼ完成 




自立支援の第一歩

2009年に初めて村を訪れて、こんなに早くコミュニティセンターが出来上がるとは思っておりませんでしたので、これは本当に驚きです。
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動をご支援下さった皆様方のおかげです。心より御礼申し上げます。

センターが出来上がったことで私たちの自立支援はようやく第一歩です。
医療から隔絶された村に医療を提供するためにはまだまだ多くの課題があります。
お陰様でこれまでは順調に活動を続けてこられたと思います。今後医療支援が本格化していくことになるでしょう。コミュニティセンターを公的に認可してもらい、ヘルスセンターに昇格することが必要です。そして医療機関として活用していかなくてはなりません。決してたやすいこととはかんがえておりません。これからも何卒よろしくご支援のほどお願い申し上げます。


アフリカの青空に赤い屋根が映える美しい建物が出来ました。









2014年10月21日火曜日

ケニア・医療キャンプのご報告


2014年医療キャンプ

私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月12日(金)から23日(火)の日程でケニアに行き、ヴィクトリア湖近くの奥地の農村ゲム・イースト村にて5日間の医療キャンプを実施して参りました。2010年から毎年9月に同じ村を訪問しており、今年で5回目です。総勢18名で、内科、小児科、皮膚科、歯科、採血、鍼灸、薬局という構成でした。
ゲム・イースト村はニャンザ州ホマベイ県に属しています。この地域はケニアの中でも特にHIV感染率の高いところで、私たちは診療とあわせて村の人たちにHIV検査の受検を奨めています。こうした農村では、無知や偏見からHIVはタブー視されることも少なくないのですが、今年は自らHIV検査を受けたいと希望する人もあり、ずい分啓発が進んだ印象がありました。

採血の様子

 

コミュニティセンターの建設

今年のキャンプでの最大の変化は何と言ってもコミュニティセンターが建ったことです。
2009年にアサンテ ナゴヤが初めてゲム・イースト村を訪れた時、現地のチャリティー団体ルーネルドのエリアス牧師が村に必要なものとして挙げたのが『コミュニティセンターの建設』と『クリーンな水』の2つでした。
建物を建てるというのは、私たちのような小さなNPOにとっては大変なことですし、夢のような話だと思っていたのですが、エリアスさんの方は本気でした。建設図面や見積もりを送ってきていたのですが、2012年には自ら村に土地を購入されました。私たちもその情熱に動かされ、2013年に募金を実施し、その資金を基に今年の春にセンターは無事竣工いたしました。

ケニアから送られてきた建築パース

これまでは野原にテントを張り、地面に直接机や椅子を置いて診療をしていました。
これはなかなかに過酷で、テントがあってもアフリカの太陽は容赦がありませんし、地面はでこぼこですので、机はガタガタして不安定でした。暑さのために体力を奪われて、体調を崩すこともありました。今年は全員が全日程休むことなく参加できたのですが、実はこれは画期的な事でした。
下の写真は昨年の採血の様子です。採血の担当の方はベテランで難なく仕事をこなしているように見えましたが、実際はかなりやりづらかったはずです。野外ですので、風でカルテが飛んで行かないように気を付けていないといけませんでした。

2013年の採血の様子

 

ゲム・イースト村に保健医療のための施設を

建築工事中も落成後もケニアから写真が送られてきていましたので、建物の様子はわかっていましたが、9月に医療キャンプのために村を再訪して、赤い屋根の建物が出来上がっているのを見たときは本当に感激しました。こんなに早く建物が出来上がるとは思ってもいないことでした。
センターのおかげで今年のキャンプはスムーズに運営され、受診者のトータルは昨年の4割増でした。

センターの目的はもちろんキャンプのためだけではありません。
今後、いかに稼働させていくかが課題です。医療から隔絶した環境にある村の人たちが安定的に診療や検査を受けたり、健康に関する情報を得られるような施設として運営していきたいと考えております。そのためにまず政府に公の『ヘルスセンター』としての認可を受けることが目標です。
ケニアの医療制度には課題が多いと聞いています。とりわけゲム・イースト村のような僻地の農村は政府の医療政策においても後回しにされがちだとのことです。
私たちの自立支援もセンターが完成したことでようやく第一歩です。これからもルーネルドとしっかり話し合い、現地の人たちに本当に役に立つ支援を続けていく所存です。今後とも私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

完成したコミュニティセンター