2014年11月14日金曜日

ケニア奥地の農村ゲム・イースト村にクリーンな水を供給したい

「トイレよりも携帯電話を持っている人の方が多い。」




water.orgは俳優のマット・デイモンが共同設立者であるチャリティーグループで、世界で8億の人々が清潔な水を手に入れることができない状況を変え、すべての人々が清潔な水を手にすることができる世界を実現しようとしています。

この「トイレより携帯電話」という状況は、私が初めてアサンテナゴヤのキャンプに参加させて頂いて、ゲムイースト村に行ったときから個人的に感じていることです。
ケニアでも携帯電話会社の広告がいたるところに掲示されていて、医療キャンプにやってくる村の人たちも携帯を持っています。その割合は年々高まっていることを実感します。

村には通信手段がありませんから、携帯電話があることで大いに便利になっていることは疑うべくもありません。
またケニアには「エムペサ」という携帯電話を使った画期的な個人間送金システムがあります。金融機関の口座など持っていない村の人が、都会に出稼ぎに行った家族からの仕送りを受け取ったりするのに活用されているシステムです。携帯電話が村の人たちの暮らしに必要不可欠であることは論を待ちません。

一方で、キャンプに行くバスから村を眺めていると、道路脇にしゃがんで用を足している子どもを見るのは毎日のことです。
また、ナイロビにある世界最大のスラム「キベラ」には100万人が暮らしているのに、共同トイレはわずか600個で、しかも危なくて使えないということです。道端で用を足したり、ビニール袋に出して、その辺に捨てたりするとのことで、大変不潔です。

トイレと携帯電話を比べるのもおかしな話なのかもしれませんが、水も電気もない村でみんなが携帯を持っているのを見ると「順番が違うのではないか」と素朴に思ってしまいます。

ゲム・イースト村にクリーンな水を



前回のブログでも書きました通り、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤはゲム・イースト村コミュニティセンターの敷地内にてクリーンな水を供給できるようにしたいと思っています。
センターには水洗トイレの設備がありますが、現在は水が通っていないため無用の長物です。この点はルーネルドのエリアス牧師も力説されていたポイントです。
幸いゲム村は地下水には恵まれたエリアにあります。ただし固い岩盤を貫いて、深い井戸を掘らなくてはなりません。
井戸を掘るにあたっては、専門業者が事前にしっかり調査をして、掘削に取り掛かることになります。
今後、しっかりと打ち合わせをして計画を進めていく所存です。何卒皆様方のご理解と温かいご支援をお願い申し上げます。



NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤでは、ご入会、ご寄附のお申し込みを常時受け付けております。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ 入会のご案内
 

2014年11月9日日曜日

コミュニティセンター開所式



アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月16日から20日までケニア奥地の農村ゲム・イースト村にて無料医療キャンプを実施しました。
今回は現地にコミュニティセンターの建設が完了しており、室内での診療となりました。昨年まではテントを張って地面に直接机や椅子を置いての診療でしたから、今年は大きく環境が改善され、従来よりはるかに多くの人たちに医療を提供することができました。

私たちは現地のNGOルーネルドと協力して、キャンプを実施しています。現地団体の協力無くして、外国人である私たちがアフリカの農村で医療活動を実施することは不可能です。
今回、ルーネルドはキャンプ中にケニア政府の高官や医療行政責任者、ゲム・イースト村の人たちを招いて、コミュニティセンターの開所式を催しました。
センターの建設そのものは3月に完了していたのですが、ルーネルドとしてはキャンプの最中に式を行うことで、最大の支援者であるアサンテ ナゴヤの存在を政府の人たちにアピールできると考えたのであろうと思います。

州政府の政治家と医療行政の責任者
 
余興のお芝居

 
 
ケニアで提供されている保健サービスは6段階に分けられています。簡単にいうと、レベル 1 はコミュニティ・ヘルスワーカー、2 は簡易診療所、3 は診療所、4 は県立病院、5 は州立病院、6 は国立病院という感じだそうです。
ルーネルドはゲム村のセンターをレベル3の診療所、ヘルスセンターとして村の人たちに日常的に医療提供できるようにすることを目標にしています。
ケニアの医療状況にはかなり問題があるようで、首都ナイロビと地方都市の格差も大きいと聞いています。ゲム村から7キロほど離れたところにはヘルスセンターがあり、アサンテ ナゴヤが滞在しているキシイという町にはレベル5の病院もあります。村からそうした医療機関に出向くのは大変なのですが、医療従事者や薬剤が不足しているため、なけなしのお金を費やしてわざわざ出かけても他に回されてしまうこともあるようです。
 
そのような状況の中で、村の人たちの保健状況を改善するために、コミュニティセンターという拠点がまず必要でした。センターがあれば、政府に医療施設として認定してもらうための申請ができます。政府の認定が得られて、ヘルスセンターとして認められれば公的な医療支援が受けられるということです。
ゲム・イースト村のような僻地の農村はこれまで後回しにされており、十分な公共サービスが得られずにいました。だからこそルーネルドのような地域に根差したチャリティーグループが必要とされているのです。その意味ではヘルスセンターとして認可されればすぐにゲム村に日常的に医療が提供できるようなことは期待できないかもしれません。ケニアの医療状況はそれだけ困難が多いようです。
 
今回ルーネルドは州政府と交渉し、ヘルスセンター申請への協力の約束を取り付けました。これは彼らの努力の結果です。
今後少しずつでも医療の提供ができるよう、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤとして引き続き支援をしていきたいと考えております。
 
ヘルスセンターとして認可されるためには建物にクリーンな水と電気が供給されていることが条件です。ルーネルドの理事でゲム村の有力者であるエリアス牧師との話し合いで、電気については自分たちで考えるので、井戸の掘削についての支援をお願いしたいという申し出があり、アサンテ ナゴヤとして前向きに検討しております。
計画の実現にはアサンテ ナゴヤを支援してくださる皆様方のご理解とご支援が必須です。今後とも何卒よろしくご支援のほどお願い申し上げます。
 
村にある浅い井戸から汲んだ濁った水

濁った水をペットボトルに入れて飲んでいる子ども


NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤでは、ご入会、ご寄附のお申し込みを常時受け付けております。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ 入会のご案内