2013年11月30日土曜日

ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設状況のご報告



コミュニティセンター建設の進捗状況

2013年5月より8月までアフリカ支援 アサンテ ナゴヤはゲムイースト村建設募金を実施し、総額2,620,502円の温かいお志を頂きました。そのお金は8月に現地NGOルーネルドに送金いたしました。
ルーネルドは早速に工事を開始し、9月に私たちが無料医療キャンプのために訪れた際には、想像していた以上に早いペースで建設が進んでいました。

建設労働に従事しているのは村の人たちです。貧しい僻地の農村であるゲムイースト村では現金収入を得るための仕事がきわめて少ないため、今回のプロジェクトは村の人たちにとっては貴重な雇用の機会です。こうしたセンター建設の経済的恩恵については、ルーネルドが大いに強調していたところです。
キャンプの際に、村の人たちが生き生きと働いている姿は感動的でした。




 この度、アサンテ ナゴヤの2014年度第1回総会の開催に合わせて、ルーネルドより建設の進捗状況について詳細な報告が届きましたので、このブログでも内容をご紹介いたします。

建設は現在のところ順調に進んでいます。上の写真にありますように、屋根までできあがり、建物らしくなってきました。
9月のキャンプの時は下の写真のような 状態で、整地をしてブロックを積み上げている状態でした。





その後10月に以下の写真が送られてきました。
壁がほぼ積み上げられています。下の写真はトイレだと思われます。9月の時はまだ手をつけていませんでした。



以下が今回送られてきた写真です。
屋根が出来て、扉や窓も付き、ずい分建物らしくなりました。




以上のように、現在までのところ順調に建設が進んでいます。
12月中の完成を目標にしていると聞いています。完成しましたら、またこのブログでもご報告いたします。

現地への支援は建物が完成して、ようやく第一歩です。
備品の購入などもありますが、医療機関として稼働するためにはさまざまな課題が山積しています。
今後ともよろしくご支援を賜わりますよう、お願い申し上げます。





2013年9月24日火曜日

2013年度医療キャンプより帰って参りました。


医療キャンプのご報告

NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは今年もケニア奥地の農村ゲム・イースト村に於いて無料医療キャンプを実施し、昨日無事帰国いたしました。

9月12日(木)に日本を発ち、翌13日(金)の午後ナイロビに到着しました。キャンプ地の村までバスで移動して、16日(月)から20日(金)までの5日間キャンプを実施し、村の人たちに無料で医療を提供して参りました。
ケニアの中でもこの地域はHIVの感染率が特に高く、医療を提供しながらHIV検査の受検を勧める医療キャンプはとても意義深いものでありました。

日本からは22名が参加し、現地で2名が合流し、総勢24名のキャンプでした。
また今年はJICAの元職員の方と海外青年協力隊として現地に赴任している方々もキャンプにご参加下さいました。今後そうした皆様と協力して活動を展開できるのではないかと、大いに期待しています。

ゲム・イースト村は高地なので、さほど気温は高くならないのですが、やはり赤道直下の日射しは厳しく、食べ物の問題もあり、体力を消耗しがちなキャンプの間は体調を崩された参加者もいらっしゃいました。
それでも帰国までに健康を回復し、全員元気に帰国できたことはなによりでした。
今年もキャンプ中には色々なことがありましたが、参加者全員で力を合わせて乗り切ることができました。


コミュニティセンターの建設

アサンテ ナゴヤでは5月より8月末まで『ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設募金』へのご協力をお願いして参りました。
大変多くの方々の温かいお気持ちを賜わり、当初の目標金額を大きく上回る募金総額2,620,502円(105件)を集めることができました。
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf

募金とは別にご寄附を頂いた300万円と合わせた約562万円を建設資金として、ケニアの協力団体RUNELDに提供する予定です。

今回のキャンプでは、その提供した資金がどのように活用されているかを確認することも大きなテーマでした。
ケニアでは何事もゆっくりとしか進まないとも聞いておりますので、現地に行っても何もご報告できることがないのではないかと懸念もしておりましたが、実際には写真のように建築が進んでいました。
私たちの医療キャンプの最中も建設作業は進んでおり、5日間だけでも工事の進展が見られ、とても嬉しく思われました。

ケニアでも消費税が増税されたり、物価が上がったりしているとのことですが、RUNELDは少しでも価格を抑えるために原材料を直接仕入れています。
また現金収入のない村に雇用を創出すべく、労働者として村人を雇うことを建設の条件としています。

私たちのケニアにおける協力団体RUNELDはとても誠実な方たちによって運営されています。
今回はかなり具体的な事柄を色々と質問してきたのですが、彼らはその全ての質問に真摯に答えてくれました。

建設は12月に完了の予定です。

キャンプやセンターの建設については、11月に開催予定のアサンテ ナゴヤの総会にて詳しくご報告する予定ですので、ぜひご出席をお願いします。

ともあれ今年も医療キャンプを実施し、無事に帰ってくることができました。
これは皆様の温かいご支援の賜物です。
心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

2013年9月9日月曜日

コミュニティセンター建設募金にご協力ありがとうございました

募金総額 105件 ¥2,620,502- 


私たちNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは 5月から8月まで、ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設募金へのご協力をお願いしておりました。
2009年からアサンテナゴヤとして医療支援、自立支援を続けてきた、ケニア奥地の農村にコミュニティセンターを建設するための資金援助を目的とした募金です。
センターの建設により、村に医療がもたらされ、またHIV/AIDSに対する啓発活動や女性・子どもへのエンパワーメント活動の拠点とすることもできます。
募金についての詳細はこちらをご参照ください。
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf

建築の総事業費は500万円ほどと見積もられており、今回の募金はその内の200万円を集めることを目標としておりましたところ、8月末日の募金終了までに105件、2,620,502円のご支援を頂くことができました。
私たちが希望的に予想していたよりもはるかに大きな金額のご支援を賜わることとなり、驚くとともに深く感謝している次第です。
また、アフリカに対する健康支援に多くの方が関心を寄せていらっしゃることの表れでもあろうと思います。

実は8月中旬にケニアに236万円を送金済みです。ケニアの通貨で約200万ケニアシリングになります。皆様の大切なお志を一日でも早く形にして、ご報告できるように、ケニアでの建築申請の認可がおりたことを確認して、送金いたしました。
現在、建築資材の購入を開始していると連絡をうけています。

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月12日~23日の日程で、医療キャンプのためにケニアに渡ります。
その時に、建築の進捗状況を確認して、帰国後あらためてご報告したいと考えております。
今回は現地のVCT施設(Voluntary Counselling and Testing=カウンセリングを伴う自主的なHIV抗体検査)を訪問する予定です。
ケニアの医療の状況についても、あわせてご報告いたします。

この度の募金では、多くの方々よりたくさんのお志を賜わりました。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
これからもご支援をよろしくお願い申し上げます。


2013年6月19日水曜日

ケニアGEM EAST村 コミュニティセンター建設計画(3) 女性のエンパワーメント



今回はfacebookでのお友達ローレンス君の投稿をご紹介します。
ローレンス君は、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤのケニアでの協力団体RUNELDのメンバーです。
医療キャンプを実施している農村ゲム・イースト村の重鎮、エリアス牧師の息子さんで、大学生です。
ローレンス君は真面目で、RUNELD以外にもいくつかの団体に所属して、地域のための活動を熱心にやっているようです。
そんな彼が、とても説得力のある文章を投稿したので、以下にご紹介させて頂きます。

これまで疑問に思ったことはある?
統計によれば、男性は一般に女性に比べて危険な性的な行動を取ることが多いことが分かっている。例えば、複数の女性と性交渉を持つことが多いとか。でも、だったら何故女性の方がより多く感染するのだろうか?

理由は大きく二つ挙げられる。

色々な理由が考えられるけど、生理学的な理由と社会経済的な理由だ。

 精液中のウイルス量は、膣粘液よりも多い。
膣の膜は、陰茎内のそれよりも薄い。

精液が膣内に長く残るために、女性の方が
顕微鏡的病変を生じやすい

社会経済的な観点から見ると、以下のようなことが挙げられる。

女性は痛みや不快感を受け入れる。
子供を産まなくてはならないという社会からのプレッシャー。
若い女性/青少年の社会的な脆弱性
女性は性的な問題の知識を欠いていて、そのことについて意見を表明できない。
安全なセックスをパートナーに要求できない。

この深刻な状況に対処する唯一の方法は、性的関係やそれらを取り巻く事柄に対して、より積極的な役割を担うことができるように、女性の地位を向上させることしかない。

もし、あなたがケニアの母親、若い女性や女の子のことを考えてくれるとしたら、それはすなわち私たちのコミュニティ全体の健康について真剣に懸念していることになります。

スラムの女性が自分たちでもできる経済活動を始めることを通じて、積極的に生き、相互扶助のグループを運営するための3日間のトレーニングを受けられるように支援して下さい。
このトレーニングは女性たちが健康的な方法で所得を得る技能を身につけ、そして自らの威厳と尊敬を回復するものです。彼女たちのほとんどが現在従事している仕事、すなわち売春やストリップダンスよりもよい機会を彼女たちに与えようとするものです。



ケニアあるいはアフリカにおけるHIV/エイズ感染の広がりと、それに関連した社会の有り様をわかりやすくまとめた文章だと思い、このブログでも紹介させて頂くことにしました。
RUNELDはその活動の重点を、女性やエイズ孤児のエンパワーメントに置いています。
女性や子どもたちが村の活動に能動的に参加することによって、村の有り様を変革しようとしています。
上記のローレンス君の文章は、こうしたRUNELDのポリシーを裏付けるケニアの現実を表していると言えるのでしょう。


エイズ動向委員会報告によれば、平成25年3月31日現在の日本国籍を有する人でHIV感染者は12,266名。その内訳は男性が11,449名、女性は817名です。
日本においては、HIV感染者の約93.3%が男性です。

一方、日本ユニセフ協会の 「子どもとエイズ」世界キャンペーン、ファクトシートによれば、ケニアの感染者の男女比は1対5とあります。80%以上が女性ということです。

男性よりも女性の方が感染しやすいことは日本でもケニアでも変わりないでしょう。
違うのは明らかに“社会経済的”な環境 ではないでしょうか。
私は女性のエンパワーメントは、日本も含めて世界中で必要であると考えています。しかし、こうしたHIV/エイズに関する状況を知ると、ケニアにおいて求められているエンパワーメントは、質的にも切迫性においても全く異なると感じます。

上記のユニセフのページにはこのように書いてあります。
サハラ以南のアフリカでは、特に若い女性たちにHIVを予防する知識が不足しています。この地域で、自分を感染から守る方法を知っているのは、15~24歳の女性の23%にとどまっています(同年齢の男性は31%)。ベニン、チャド、マリでは、10%未満です。
これらの国々の罹患率が高いのは、HIV/エイズとその感染路についての総合的で正しい知識を持つ人の割合が低いからと言えます。

ローレンス君の書いたような話はなかなかしづらいものです。男女の問題、性的な事柄はタブーに属すもので、特にアフリカではその傾向は顕著です。
しかし彼が書いているように、ケニアの女性の問題は、そのままコミュニティ全体の問題なのです。彼を含めてRUNELDのメンバーはそうした問題意識を持って、女性と子どもへのエンパワーメントを通じてコミュニティの生活改善を目指しています。
そのための拠点として現在計画しているコミュニティセンターがあるのです。

皆様、どうぞご協力をお願い申し上げます。

コミュニティセンター建設募金のご案内
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf






2013年5月21日火曜日

2013年度 アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ講演会

アサンテ ナゴヤは毎年講演会を開催しています。
アフリカ支援に関連した活動をなさっている方をお招きし、毎回貴重なお話を聞かせていただいています。

今年は 5月18日(土)に開催いたしました。
先日ブログでご案内の通り、 (株)現代建築研究所の吉田啓一先生を講師にお招きし、「アフリカの今-建設支援の取り組み方から課題を探る」と題した講演をいただきました。
当日は多数の方にご参加頂きました。当NPOの会員の方々だけでなく、ブログやfacebookページをご覧頂いた方にもお越し頂くことができました。

今年の講演会が例年と違う点は、「ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設募金」の開始を発表したことです。
講演会の内容もセンター建設に関連したものといたしました。
当日は早速にたくさんの募金を頂きました。心より御礼申し上げます。

募金については、講演会後ホームページにもご案内を掲載しています。
ぜひご協力をお願い申し上げます。
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf


吉田先生は シエラレオネ、スーダン、ネパールをはじめとして多くの国で長年に渡って建築支援に深く関わっていらした方です。
そのお話は全て実体験に基づいており、含蓄のあるお話でした。

小学校校舎、ヘルスセンター、井戸など小規模施設の建設では、支援する側と支援を受ける側とがさまざまな取り組みを行ってきたということです。
具体的には
①日本の建設会社が施工
②現地の建設会社が施工する
③NGO等が村の住民と共同で計画し、建設に住民が労働を提供する
④支援 側は資金提供と実施のためのお手伝いを行い、住民が建設を実施
など、色々なやり方があります。
①や②だと仕事は早く、合理的ですが、③や④のように実際に施設を利用する村の人たちが計画に関与するやり方の方が、結果的に意義深い支援になるというお話でした。

アフリカでは最近中国からの支援が増えていて、ケニアでもその傾向は顕著です。
テレビ報道によれば、そうした支援は中国企業が請け負い、実際の仕事も中国から来た労働者が行うということで、ケニアの企業や労働者には恩恵が及ばないということです。

ゲム・イースト村のコミュニティセンター建設計画は、現地のNGOルーネルドが村の人たちと話し合いながら進めています。私たちアサンテ ナゴヤの役割は、日本の皆様から頂いたご支援が無駄なく有意義に使われるよう管理することと考えています。



当日は、アサンテ ナゴヤの内海眞理事の講演もありました。
「HIV/AIDSの基礎知識」
「ゲム村コミュニティセンター建設について」
という二つのテーマでお話させて頂きました。
 
HIV/AIDSは内海理事の専門分野であり、HIV/AIDSの病理や国際的な状況、日本の状況についての話はとてもわかりやすく、ご参加の皆様のご理解も深まったのではないでしょうか。
 
世界的に見て、HIV/AIDSの感染者はアフリカのサハラ砂漠以南の地域に特に多く見られます。子どもの感染者について見ると、その傾向はより一層顕著です。
ケニアもサハラ砂漠以南に属します。だからこそ、アサンテ ナゴヤはまずケニアに支援に向いました。ケニアの中でも、ゲム・イースト村のような僻地の農村は、政府の対策もなかなか行き届きません。
 
HIV/AIDSは今では治療できる病気です。
そのために一人でも多くの方に検査を受けてもらい、治療を開始する必要があります。
そして、何より大切なのは予防です。
HIV/AIDSについての正しい知識を持ち、感染につながる行動を避けることが予防につながります。
 
NGOルーネルドはゲム・イースト村において、予防啓発活動に努めています。
村にコミュニティセンターができれば、検査、治療の拠点となるだけでなく、村のセンターとしての役割を果たし、HIV/AIDS予防啓発活動、衛生についての啓発活動なども活発に行うことができるようになります。
村の人たちが当初よりコミュニティセンターの建設を求めていたのは、こうしたことが理由です。
 
コミュニティセンター建設の意義にご理解を頂き、募金にご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

2013年5月10日金曜日

ケニアGEM EAST村 コミュニティセンター建設計画(2) HIV検査について


VCTについて

私たちは元々、サハラ以南のアフリカにおけるHIV/AIDSに対して行動を起こすことから活動をスタートしています。ですからHIV検査は、アサンテ ナゴヤの医療キャンプにおいても最も重点を置いている活動の一つです。

HIV検査はVCTという方式を取ります。
ケニアでは1999年にHIV/AIDSをNational  Disasterと宣言し、その対策の重要な活動としてVCTは位置づけられています。
VCT [Voluntary Counceling and Testing]とは日本語では「自発的カウンセリング・検査」と訳されます。

独立行政法人 国際協力機構(JICA)のホームページでは、下記のように説明されています。

HIV/AIDSやHIV検査について十分な情報を得たうえで(プレ・カウンセリング)、自ら選択してHIV検査を受け、検査結果に基づいてポスト・カウンセリングを受けるまでの一連のプロセスを指す。VCTは、その後の治療やケア・サポート、母子感染予防などの「入り口」(Entry Point)になるとともに、VCTというプロセスを通じて人々がHIV/AIDSについてリアリティを持って考えることができるようになるという点で、予防・啓発活動の「入り口」でもある。その点で、VCTは包括的HIV/AIDS対策における一つの要の位置を占めるということができる。



アサンテ ナゴヤが毎年実施しているGEM EAST村 無料医療キャンプにおいても、事前にカウンセリングを実施し、検査後陽性者にはフォローを行っています。
このカウンセリングとフォローは現地NGOのルーネルドが担当しています。

ルーネルドはこれ以外にも、GEM EAST村にてHIV/AIDS予防啓発活動として、様々なワークショップを実施しています。
HIV/AIDSに対する正しい知識を持ち、感染につながる行動を避け、予防すること。HIV/AIDSに対する偏見や迷信を取り除き、陽性者と共生するコミュニティを創る。HIVのために困っている弱い立場の、主に女性や子供を支援する。
こうしたことを目的に活動しています。
ルーネルドは、GEM EAST村内に約50名のOVC's(エイズ関連で親を亡くした孤児やネグレクトを受けている子ども)のケアをしていると報告を受けました。

HIV/AIDSのケアと予防の拠点としてのコミュニティセンター

医療キャンプの際は、一人でも多くの方に検査を受けてもらうよう、声をかけることにしています。
それでも実際に検査を受けるのは一部の患者に過ぎません。昨年の実績は1113人の患者のうち、検査を受けたのは188人ですから、2割以下です。
また、キャンプにくるのは女性が多く、男性は少ない傾向があります。HIV/AIDS感染予防のためには男性の行動がカギを握っていますので、これは今後の重要な課題です。

キャンプに参加した医師の皆さんから話を聞くと、 受検を勧めると「もう受けた」と言って断る方が意外に多いということでした。
検査を受けたくなくて、嘘をついているのかもしれませんし、あるいは実際にどこかのVCTセンターで受検したのかもしれません。

GEM EAST村にコミュニティセンターができれば、VCTセンターとして機能させることができます。
現状では受検したいと思っても、何キロも歩いていかなくてはなりません。
そこでフォローをしてくれるとしても、そんな遠くまで頻繁にいくことは大変なことです。

村で検査を実施できれば、受検者も増えるでしょうし、その後のフォローもしやすくなります。
あわせてルーネルドが予防啓発ワークショップを開催できますから、うまく連携できるでしょう。
コミュニティとしてHIV/AIDSに立ち向かう体制ができることになります。

コミュニティセンター建設は、このようにHIV/AIDSの予防という点からも大変意義深い事業です。
皆様方にご理解、ご協力をお願い申し上げます。

2013年5月5日日曜日

ケニアGEM EAST村 コミュニティセンター建設計画

コミュニティセンターについて

私たちNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは、ケニアの農村GEM EAST村におけるコミュニティセンターの建設支援計画を進めています。
このことは以前のブログ記事でもご案内しています。
http://asantenagoya.blogspot.jp/2013/04/gem-eastngo.html

この記事の中では「ドロップインセンター」と記載していました。現地の協力団体ルーネルドからのメールに当初そのように書いてあったからです。
ところがその名称は必ずしも制度的に定められたものというわけでもないようで、ルーネルドも色々な呼び方をしてきます。
計画を進める上で、アサンテ内で名称を統一しようということになり、「コミュニティセンター」を採用しました。


コミュニティーセンターに期待されている役割は、例えば以下のようなものです。

公的医療施設として
・HIVの検査とカウンセリング
・HIV母子感染予防
・外来による治療
・予防接種、小児疾患の管理
・マラリア検査

現地NGOによる啓発活動の場として
・HIV感染予防啓発
・HIV/AIDSについての講座
・エイズ孤児や女性に対する支援活動
・衛生についての教育
・村の公益的活動や種々の情報提供

コミュニティセンターとは、地域医療を提供することのみならず、村民の健康を増進するための様々なサービスを提供する場であると解釈できるかもしれません。
上記のような機能をもつのはケニアの医療制度の中では、レベル2か3の診療所かヘルスセンターにあたるでしょう。
コミュニティセンターとは、医療施設を含む様々な機能をもつ複合的な施設と考えられます。

ケニアでは、センターはコミュニティに基盤を置く教会やルーネルドのようなNGOによって設立されることがよく見られます。
政府はセンターを公的な医療施設として認定し、医療従事者の派遣などの支援をします。
センターはあくまでもコミュニティのもので、設立者である団体と医療を受ける側の村人の代表者から成る委員会によって運営されます。
そのことにより、村の状況に合わせた運営ができる、ということです。

GEM EAST村の場合、センターのような建物は他に無いようですから、医療関連のみならず、村の寄り合いや結婚式会場としても利用されることも考えられます。
まさにコミュニティのセンターとして機能することが期待されています。
これはGEM EAST村のような貧しい農村においては、村の有り様を変えるような大きな変化をもたらすものです。

*ケニアの医療制度についてはこちらの記事で少しご紹介しています。
http://asantenagoya.blogspot.jp/2013/04/gem-east_8.html







2013年4月23日火曜日

2013年度 講演会のご案内

ホームページの活動計画でもご案内しておりました2013年度の講演会の開催が決まりましたので、ご案内申し上げます。

今年度は(株)現代建築研究所の吉田啓一先生をお招きし、「アフリカの今-建設支援の取り組み方から課題を探る」と題してご講演を頂きます。
アフリカ支援 アサンテナゴヤは、現在ケニアの農村ゲム・イースト村にコミュニティセンターの建設を計画中ですので、今回の演題はタイムリーで、参考になるお話を聴かせて頂けることと思います。アフリカへの支援に関心のある方はぜひご参加下さい。

当NPOの理事の内海眞からも、専門分野である「HIV/AIDSの基礎知識」および「ゲム村コミュニティセンター建設について」のお話をさせて頂きます。


2013年度 アフリカ支援 アサンテナゴヤ講演会

「アフリカの今-建設支援の取り組み方から課題を探る」
(株)現代建築研究所 吉田啓一

講演の要旨

小学校校舎、ヘルスセンター、井戸など小規模施設の建設では、支援する側と支援を受ける側とがさまざまな取り組みを行ってきた。
シエラレオネ、スーダン、ネパールの事例をもとに、現地の省庁とJICA/コンサルタントが計画し、①日本の建設会社が施工、②現地の建設会社が施工するタイプと、現地の省庁/JICAの合意を受け、コンサルタントまたは外国やローカルのNGOが村の住民と共同で計画し、③建設に住民が労働を提供、④支援側は最低限の資金提供とソフト(住民組織作り、地域の問題・開発ニーズ分析、会計)とハード(設計図、積算書作成など)のお手伝いを行い、住民が建設を実施、⑤④に加えて、スタデェービジットやトレーニングを行い、住民/コミュニティの能力開発を促し、さらに、現地の省庁や事務所とつながりを形成し、地域の持続的な開発/運営に導くタイプの取り組みがある。
村へのインパクト、支援する側受ける側が学んだこと、持続的開発の視点で見た課題などプロジェクト事例から学ぶ。

「HIV/AIDSの基礎知識」
「ゲム村コミュニティセンター建設について」
アサンテナゴヤ 副理事長 内海 眞

日  時 平成25年5月18日(土)14:00~16:45(受付開始 13:30~)

場  所 名古屋都市センター(金山総合駅南口 詳細は下記をご覧下さい)

参加無料 先着50名様

事務局:〒461-0004 名古屋市東区葵1-25-1ニッシンビル906  TEL 052-933-1588

参加申し込み方法

講演会参加申し込みはE-mailにて承ります。
E-mail : africa@asante-nagoya.com

お名前、ご連絡先が必要です。いただいたアドレスへ事務局から返信いたします。
4日以上経ても返信が届かない場合はお手数でも事務局までご一報下さい。

申し込み期日は5月12日(日)とさせていただきます。
尚、一定数に達した場合はご参加をお断りする場合もございます。ご了承下さい。


会場案内

名古屋都市センター 受付開始 13:30~


住所: 〒460-0023 愛知県名古屋市中区金山町1丁目1−1 金山南ビル 14F
TEL 052-678-2200
 
ホテルグランコート名古屋、ボストン美術館の入っているビルです。
入口は1Fです。都市センター専用エレベーター(シースルー)をご利用下さい。














皆様のご参加をお待ち申し上げております。








2013年4月10日水曜日

ケニアGEM EAST村のご紹介(3)~現地NGOのこと~

私達NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤは、ケニア奥地の農村での支援活動を現地NGOのルーネルドと連携して行って参りました。
私達が農村に行って医療活動ができるのは、ルーネルドが事前にきちんと準備をしてくれるからです。コミュニティ内に根回しをし、村人にキャンプについて広告してくれています。キャンプではルーネルドが集めたボランティアの人たちが、私達のために現地の言葉(スワヒリ語かルオー語)から英語に通訳してくれます。私達は日本からボランティアでケニアまで出向いて行きますが、ケニアの側でも大勢の人が仕事を休んで、ナイロビなどから奥地の農村までやってきて、キャンプに協力してくれています。ルーネルドのメンバーとボランティア無しにはキャンプの運営は不可能です。

アフリカに限らず、NGOの中には支援活動を悪用して私腹をこやす人たちもいるそうです。海外から支援を受けるということは、彼らの側からすれば大変な利権ですので、支援する側もよくよく気をつけなくてはなりません。またケニアの人たちは"ポレポレ"というのでしょうか、仕事のやり方が非常にルーズで、日本人の感覚では信じられないようなこともしばしばあると聞きます。
私達のパートナーのルーネルドは、その点とても真面目で、信頼がおける人たちです。コミュニケーションがうまくいかないことはもちろんありますが、彼らの村の生活の改善のための奉仕に対する純粋さを疑ったことはありません。


2009年にアサンテナゴヤは初めてゲム村を訪れました。村の人たちやルーネルドと話し合い、彼らが望んでいる支援は何かと聞きました。
彼らが望んでいるのは、クリーンな水とドロップインセンターの建設でした。

それはどちらもたくさんのお金が必要なプロジェクトです。NPOとして、簡単に約束できるようなものではありません。私達は、まずは医療キャンプの実施を優先しました。
その後、2010年から2012年まで、毎年無料医療キャンプを実施しました。今年も9月にケニアに行く予定です。今回で4回目のキャンプとなります。
これまでの間、クリーンな水とドロップインセンターのことを忘れたことはありません。

私達が驚いたのは、昨年2012年のキャンプの時です。
ルーネルドの創立メンバーの1人メリーのパパ。ルーネルドの理事であり、牧師としてゲムイースト村の有力者でもあるパパが、センターを建てるための土地を取得していたのです。
それまで医療キャンプは、村の土地を借りて行っていました。それが2012年はルーネルドが所有する土地で開催されたのです。
私達は、ドロップインセンター建設に対する彼らの強い思いを知りました。

その後、パパからセンターの図面と見積もりが送られてきました。
3回のキャンプを経て、私達アサンテナゴヤはルーネルドを信頼できるパートナーであると認識するようになっていました。
今年2013年の初めから、私達はドロップインセンター建設の具体的な打ち合わせを始めました。ルーネルドの創立メンバーの1人、ダグラスさんと頻繁にメールで意見交換をしています。



私個人は、ドロップインセンターのことがまるでわかっていませんでした。ドロップインとは「立ち寄る」という意味ですから、村の人たちが立ち寄ることのできる集会所のようなものだろうかと思いましたが、集会所を立てて、それが村人の健康にどうつながるのかわからなかったのです。

ダグラスさんに色々と質問をしたり、インターネットでケニアの医療制度を調べたりしているうちに、彼らはレベル2か3の医療施設を作りたいと思っているということがわかってきました。
彼らは私達が想像していたよりずっと綿密に計画を進めていて、政府の援助を得るために担当の役人とコンタクトを取ったりしていました。
センターを建てて、医療機関として認可されれば、看護師やクリニカルオフィサーといった医療従事者を派遣してもらえます。
先回ご紹介したように、ケニアではこうした施設がコミュニティの医療を担っているのです。


ドロップインセンターで提供されることを想定されているのは以下の通りです。
a)HIVのカウンセリングと検査
b)HIVの母子感染予防
c)外来患者の治療
d)予防接種
e)子供の病気の総合的管理

上記のことができる施設が村に出来たら、それは村においては大きな変化です。
HIV/AIDSについての啓発活動、HIV陽性者に対するフォロー、感染症を防ぐ衛生に関する情報の提供、外来による診療、子どもの健康維持活動など、現在のゲム村では得ることのできない医療サービスを提供できます。

ドロップインセンター建設の意義、ゲムイースト村の現状を、皆様方によくご理解頂き、ぜひともご支援を賜わりたいと思っております。
よろしくお願い申し上げます。

特定非営利活動法人アフリカ支援 アサンテナゴヤ 入会・寄付のご案内
http://asante-nagoya.com/aboutus.html




2013年4月8日月曜日

ケニアGEM EAST村のご紹介(2)

昨日に続いて、ゲムイースト村のご紹介をいたします。
私たちはGEM EAST村が正確にどこにあるのかわかりませんでした。地図で探してみてもケニアの場合、村の名前などは載っていないのです。近くの町や宿泊するホテルの場所はわかっているので、そこから地図上の道路を辿ろうとしても全く無理でした。

2012年のキャンプの際、アサンテの役員がGPS測定器を持っていき、正確な緯度と経度がわかりました。Google Earthなどに入力すれば、衛星写真でかなり細かく見ることができて、とても感慨深いものがありました。ホテルから村までは車で1時間以上かかります。舗装されていない赤土の道路はかなり揺れて、辛いものがあります。そのホテルから村までがわずか10キロほどしかないことを知った時は驚きました。


上の地図の赤いAの印がゲム村です。西にホーマベイ、東にはキシイという町があります。北に行くとキスムです。キシイにはスーパーマーケットがあり、私たちは毎日そこでミネラルウォーターなどの買い出しをします。品ぞろえはなかなか充実しています。しかし、村の人たちがそこで買い物をすることはないでしょう。10キロ以上歩いてこなくてはいけませんし、そもそも現金を殆ど持っていないからです。

ケニアの村の生活は、どこに行くにも歩いていかねばならず、歩いて行ったとしてもお金がないので何も買えません。村では現金収入を得る手段が限られているのです。病気になっても診療を受けることは非常に困難です。
昨年の医療キャンプで村の人たちに最も喜ばれたのは歯科医でした。意外に思われるかもしれませんが、村でも虫歯が多いのです。歯科の診療費は高額で、どんなに痛くても診療を受けられず、自分で抜歯したような痕も見られたそうです。


ケニアの医療制度

ケニアでは、公立の医療機関を大きく6つのレベルに分けています。
レベル1 家庭内セルフケア/コミュニティヘルスワーカー(CHW)によるケア
レベル2 コミュニティの診療所
レベル3 ヘルスセンター/産科施設/介護施設
レベル4 地域病院
レベル5 州立病院
レベル6 国立病院

医師が常駐するのはレベル4からで、それ以下のレベルでは看護師やクリニカルオフィサー(医師の資格は無いが、専門学校で教育を受けた医療従事者)が地方の医療を任されています。
ゲム村の近くで一番良い病院といえば、キシイにあるKisii Level 5 Hospitalになります。この病院は、2011年に日本の援助で立派な病院に建て替えられ、施設もこの地域では一番近代的で設備も整っています。

在ケニア日本国大使館の記事
http://www.ke.emb-japan.go.jp/20110624-j.html

レベル4は、日本での市民病院のような位置づけで、地域医療の中心となり、入院施設もあるのですが、多くの所は医師が2-3人いるかいないかといった感じでだそうです。
村の人たちにとっては、レベル4の病院でさえ、アクセスが悪く、費用の問題もあり、実際にはレベル2や3の施設で、医師ではなく、看護師やクリニカルオフィサーの診療を受けることになります。そしてヘルスセンターや診療所のレベルの施設もゲム村にはありません。

SOFTKENYAというサイトにケニアの様々なデータが紹介されています。
http://softkenya.com/homa-bay-county/

ゲム村のあるホーマベイ郡は人口約100万。ホーマベイはHoma Bay、Suba、Rachuonyoの3つの区域に分けられるようで、ゲム村は内陸のRachuonyoに属すると思われます。
ホーマベイ郡全体で医療施設は164あります。
District Hospitals (4), Sub-District Hospitals (7)とありますので、医師が駐在している施設は11しかないのでしょうか。


医師の人口に対する割合は、Homa Bayが38,707人に対して医師が1人、Subaでは85,000人に対して1人、Rachuonyoに至っては人口150,000人に対して1人しか医師がいません。
ナイロビでは23,000に対して1人ですから、農村では首都の6~7分の1しか医師がいないということになります。

ちなみに日本では、平成22年度の保健統計によれば、病院数は人口10万あたり約7、診療所数は約78、医師の数は約210となっています。ケニア奥地の農村における医師の数は日本の約300分の1ということになるのでしょうか。


日本と比較しても仕方ないかもしれませんが、少なくともナイロビと比べて、ゲム村の環境がいかに劣悪かということはご理解いただけるのではないでしょうか。


2013年4月7日日曜日

ケニアGEM EAST村のご紹介


NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤは2009年以来、ケニア奥地の農村の支援を行っています。主な活動は毎年9月に実施している無料医療キャンプですが、それ以外にも様々な支援活動を実施しています。

GEM EAST村ではほぼ自給自足の生活をしており、村の人たちは医療の恩恵を受けることができません。ですから毎年のキャンプではいつも多くの患者さんが早朝から列をなし、大変喜ばれています。



私は鍼灸師として2011年のキャンプに参加し、帰国後アサンテナゴヤの理事に就任させていただきました。キャンプに参加した時は、鍼灸師として何かボランティア活動ができたらという思いだけで、ケニアといってもサファリやマサイという言葉くらいしか浮かばない有様でした。
今は認識が深まったとも言えないのですが、日々現地NGOの方々とメールでやり取りする中で感じることなどもあり、私たちが見聞きしたケニアの農村のことを皆さまにご紹介し、現状をご理解頂き、ひいてはアサンテナゴヤの活動についてもご理解いただく一助になればと思い、GEM EAST村のご紹介を試みる所存です。

ケニアはWikipediaの説明によると
ケニア共和国は、東アフリカに位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。
北にエチオピア、北西に南スーダン、西にウガンダ、南にタンザニア、東にソマリアと国境を接し、南東はインド洋に面する。
首都はナイロビ。旧イギリス植民地。
とあります。


首都ナイロビは、アフリカ有数のグローバル都市であり、人口300万人以上。赤道に近い割に標高が高いので、意外に過ごしやすい気候です。
国際空港もあり、東アフリカの玄関といえる中心的都市です。近年は海外からの投資も活発で、高い経済成長率を誇っています。




GEM EAST村はナイロビから内陸に300キロ入った、ヴィクトリア湖近くの奥地にあります。
左の地図にKisumuとあるのがケニア第3の都市キスムで、その近くです。
2010年のキャンプではナイロビから国内線でキスムまで行き、そこから村の近くにあるホテルまで車で移動したのですが、道路の状態が劣悪で、狭い車の中で何時間も揺られることとなり、難渋いたしました。
ですから近くとはいっても、日本の感覚とは全く異なります。


現地協力団体RUNELD

ケニア奥地の農村で私たちが無事にキャンプを実施できるのは、現地のNGOルーネルドとの協力関係があるからです。元々は、主要メンバーの友人である日本人女性の仲介で彼らと出会い、GEM EAST村と縁ができました。NGOの中には、国際支援を利用して私腹をこやすような人たちも少なくないそうですが、ルーネルドはとても誠実な方たちです。私たちはこの出会いにとても感謝しています。

ルーネルドは正式名称はRural New Life Development (RUNELD) といいます。大都市の発展に取り残された農村の生活状況を改善することを目的として、特にHIV/AIDSの問題に取り組んでいます。

村ではHIV/AIDSの感染率が高く、アサンテナゴヤによる検査においても、ナイロビの2~3倍の陽性率です。

ネット検索をしていたら、AMREFという団体がホーマベイというGEM EAST村の近くの都市における状況について書いている記事を見つけました。ご参考にしていただきたく、ご紹介します。

ケニアには65万人のHIV/AIDS孤児がいて、その内1万6千人がビクトリア湖畔のホーマベイ地域に住んでいる。
このケニア奥地は健康に関して、ケニアで最悪の状況である。医療施設はHIV/AIDS患者の数に対して不十分であり、またアクセスも困難である。治療効果のある薬剤と医療の専門家がともに不足していることが事態をさらに悪化させている。
HIVはホーマベイにおいて最高潮に蔓延しているが、その原因はWife Inherirance(未亡人が亡夫の兄弟などの近親者と再婚すること)や一夫多妻制などの風習で、そのせいで複数のパートナーと性交渉を持つこととなり、HIV/AIDSが広まってしまう。
ヴィクトリア湖の近くなので、この地域では漁業が主な収入源である。通常、男性は漁に出て、収穫した魚を女性に売る。女性は買った魚を市場で売る。極度の貧困ゆえ、この取引に性交渉が含まれるのは一般的なことだ。そしてHIV/AIDSの蔓延が加速される。結果として、ホーマベイには沢山のエイズ孤児と未亡人が残ることとなる。
http://www.amrefusa.org/what-we-do/orphans-and-widow-support-project--homa-bay-kenya/


GEM EAST村は農村ですが、HIV/AIDSの蔓延に関する基本的な構造、すなわち風習と貧困に関しては同様の状態であろうと思われます。ホーマベイは都市であり、GEM EAST村は僻地です。医療機関や保健衛生に関する情報へのアクセスはさらに限られたものとなります。

私たちは微力ではありますが、こうした村の状況を少しでも改善すべく、現地の人たちと協力して活動を続けています。


2013年3月22日金曜日

あいちモリコロ基金

いつもアサンテナゴヤの活動にご理解、ご支援を賜わり、誠にありがとうございます。
アサンテナゴヤは毎年9月にアフリカ・ケニアの農村で無料医療キャンプを開催しております。
出発は9月でも、キャンプの準備はすでに始まっています。キャンプ終了とともに次のキャンプの準備が始まるとさえ言えるほどです。

キャンプの課題はたくさんありますが、運営資金についてはいつも頭を悩ませています。
アサンテナゴヤは幸いにもたくさんの方々に会員になっていただき、多くの寄付を頂いています。
心より御礼申し上げます。
医療キャンプの参加者は全員ボランティアですが、それでもアフリカまで行って、無料で医療を提供するというのは大変なことで、やはりお金が足りないのです。

アサンテナゴヤは『あいちモリコロ基金(公益信託 愛・地球博開催地域社会貢献活動基金)』の助成をいただいています。
今年も助成申請をしており、本日申請が通ったという嬉しいご連絡を頂きました。
頂いた助成金は全額、無料医療キャンプの費用として使わせて頂きます。



『モリコロ基金』とは
この基金は、2005年「愛・地球博」の収益をもとに2007年(平成19年)8月30日に設立されました。 
NPOやボランティア等多数の市民参加に支えられた愛・地球博の成果を受け継ぎ、一層発展させるため市民の自発的な社会貢献活動を支援する基金です。2007年から10年間、毎年1億数千万円程度助成されます。(あいちモリコロ基金ホームページより)

モリコロ基金の募集は前年の10月です。私たちはキャンプから帰国してすぐに申請書の準備しなくてはなりません。
書類審査に通ったら、年が明けてから3月に公開審査会があります。
今年も3月9日に審査会が開催され、アサンテナゴヤからも理事が2名出席して参りました。
審査会の後は、採択の結果が出るまでドキドキです。
その結果が今日出て、お陰様で助成金が頂けることになりました。

アサンテナゴヤはこれまでモリコロ基金の助成を初期活動として1回、展開期活動として2回頂いています。今年で展開期活動の助成金は3回目となります。展開期活動の助成は毎回医療キャンプの費用に使わせて頂いていますが、この形での助成はもう受けられないことになっています。
来年度2014年9月のキャンプ費用については、別の形でお金を集める必要があります。
皆様方のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤ 入会のご案内
http://asante-nagoya.com/aboutus.html



2013年2月6日水曜日

NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤ 活動状況のお知らせ

アサンテナゴヤの活動にいつもご理解とご支援を賜わり、誠にありがとうございます。

特定非営利活動法人アフリカ支援 アサンテナゴヤ
活動状況のお知らせです。

・認定NPO申請中(平成24年12月12日申請書提出)
アサンテナゴヤは『認定NPO』に申請中です。
1月20日、2月3日に名古屋市の諮問を受け、その後審査。3月末頃に審査結果が出る予定です。

『認定NPO法人制度』とは、一定の要件を満たした『認定NPO』への寄付金に対する税を優遇することで、寄付を促しNPOの活動を支援する制度です。
アサンテナゴヤ2012年夏のニュースレターでも記事を掲載しましたので、ご一読頂けたらと存じます。
http://asante-nagoya.com/newsletter6.pdf

・モリコロ基金申請(平成24年10月30日申請書提出)
無料医療キャンプの資金のための助成金を申請中です。
1月末に第一次審査の結果がいただける予定です。(二次審査は3月上旬の予定)

あいちモリコロ基金(公益信託 愛・地球博開催地域社会貢献活動基金)の助成金を、アサンテナゴヤはこれまで3回受けさせて頂いております。ナイロビスラムのストリートチルドレンなどのための学校の備品や、ゲム村医療キャンプの費用として使わせて頂きました。
今回も、平成25年度医療キャンプの資金として申請しております。

・国際協力NPO助成申請(平成24年12月13日申請書提出)
コミュニティセンター建設資金のための助成金を申請しましたが、残念ながら今年度は助成を受けられませんでした。

アサンテナゴヤが毎年医療キャンプを開催しているケニアの農村ゲム・イースト村は、医療から隔絶されています。
HIV/AIDS、マラリアその他疾病の感染率は大変高いのですが、それは感染・発病予防や衛生に関する情報が行きわたっていないということが要因の一つです。
そうした状況を改善するための場として、村にコミュニティセンターを建設したいという要望は、私どもがゲム村に最初に訪問した時から出ておりました。
またコミュニティセンターが出来れば、ケニア政府からの医療支援が受けられるということもあるようです。

今回残念ながら日本国際協力財団の助成金を受けることができませんでしたが、アサンテナゴヤとして、コミュニティセンターの建設は何とか実現したいと考えております。
情報を収集し、ケニア側としっかり連絡を取り合い、きちんとした役に立つ施設が建てられるよう努めてまいります。
皆様方のご理解を賜わり、何卒ご支援下さいますようお願い申し上げます。

アサンテナゴヤ 入会、寄付のご案内
http://asante-nagoya.com/aboutus.html


2013年2月5日火曜日

アサンテナゴヤのブログを始めました。

特定非営利活動法人 アフリカ支援 アサンテナゴヤのブログです

この度ブログを始めました。
このブログを通して、NPOとしての活動のご報告、イベントなどのご案内をさせていただけたらと存じます。
ホームページの「お知らせ」ページとリンクして、ご覧いただけるようにする予定です。

これからも何卒ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。