VCTについて
私たちは元々、サハラ以南のアフリカにおけるHIV/AIDSに対して行動を起こすことから活動をスタートしています。ですからHIV検査は、アサンテ ナゴヤの医療キャンプにおいても最も重点を置いている活動の一つです。HIV検査はVCTという方式を取ります。
ケニアでは1999年にHIV/AIDSをNational Disasterと宣言し、その対策の重要な活動としてVCTは位置づけられています。
VCT [Voluntary Counceling and Testing]とは日本語では「自発的カウンセリング・検査」と訳されます。
独立行政法人 国際協力機構(JICA)のホームページでは、下記のように説明されています。
HIV/AIDSやHIV検査について十分な情報を得たうえで(プレ・カウンセリング)、自ら選択してHIV検査を受け、検査結果に基づいてポスト・カウンセリングを受けるまでの一連のプロセスを指す。VCTは、その後の治療やケア・サポート、母子感染予防などの「入り口」(Entry Point)になるとともに、VCTというプロセスを通じて人々がHIV/AIDSについてリアリティを持って考えることができるようになるという点で、予防・啓発活動の「入り口」でもある。その点で、VCTは包括的HIV/AIDS対策における一つの要の位置を占めるということができる。
アサンテ ナゴヤが毎年実施しているGEM EAST村 無料医療キャンプにおいても、事前にカウンセリングを実施し、検査後陽性者にはフォローを行っています。
このカウンセリングとフォローは現地NGOのルーネルドが担当しています。
ルーネルドはこれ以外にも、GEM EAST村にてHIV/AIDS予防啓発活動として、様々なワークショップを実施しています。
HIV/AIDSに対する正しい知識を持ち、感染につながる行動を避け、予防すること。HIV/AIDSに対する偏見や迷信を取り除き、陽性者と共生するコミュニティを創る。HIVのために困っている弱い立場の、主に女性や子供を支援する。
こうしたことを目的に活動しています。
ルーネルドは、GEM EAST村内に約50名のOVC's(エイズ関連で親を亡くした孤児やネグレクトを受けている子ども)のケアをしていると報告を受けました。
HIV/AIDSのケアと予防の拠点としてのコミュニティセンター
医療キャンプの際は、一人でも多くの方に検査を受けてもらうよう、声をかけることにしています。それでも実際に検査を受けるのは一部の患者に過ぎません。昨年の実績は1113人の患者のうち、検査を受けたのは188人ですから、2割以下です。
また、キャンプにくるのは女性が多く、男性は少ない傾向があります。HIV/AIDS感染予防のためには男性の行動がカギを握っていますので、これは今後の重要な課題です。
キャンプに参加した医師の皆さんから話を聞くと、 受検を勧めると「もう受けた」と言って断る方が意外に多いということでした。
検査を受けたくなくて、嘘をついているのかもしれませんし、あるいは実際にどこかのVCTセンターで受検したのかもしれません。
GEM EAST村にコミュニティセンターができれば、VCTセンターとして機能させることができます。
現状では受検したいと思っても、何キロも歩いていかなくてはなりません。
そこでフォローをしてくれるとしても、そんな遠くまで頻繁にいくことは大変なことです。
村で検査を実施できれば、受検者も増えるでしょうし、その後のフォローもしやすくなります。
あわせてルーネルドが予防啓発ワークショップを開催できますから、うまく連携できるでしょう。
コミュニティとしてHIV/AIDSに立ち向かう体制ができることになります。
コミュニティセンター建設は、このようにHIV/AIDSの予防という点からも大変意義深い事業です。
皆様方にご理解、ご協力をお願い申し上げます。
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