2014年10月21日火曜日

ケニア・医療キャンプのご報告


2014年医療キャンプ

私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月12日(金)から23日(火)の日程でケニアに行き、ヴィクトリア湖近くの奥地の農村ゲム・イースト村にて5日間の医療キャンプを実施して参りました。2010年から毎年9月に同じ村を訪問しており、今年で5回目です。総勢18名で、内科、小児科、皮膚科、歯科、採血、鍼灸、薬局という構成でした。
ゲム・イースト村はニャンザ州ホマベイ県に属しています。この地域はケニアの中でも特にHIV感染率の高いところで、私たちは診療とあわせて村の人たちにHIV検査の受検を奨めています。こうした農村では、無知や偏見からHIVはタブー視されることも少なくないのですが、今年は自らHIV検査を受けたいと希望する人もあり、ずい分啓発が進んだ印象がありました。

採血の様子

 

コミュニティセンターの建設

今年のキャンプでの最大の変化は何と言ってもコミュニティセンターが建ったことです。
2009年にアサンテ ナゴヤが初めてゲム・イースト村を訪れた時、現地のチャリティー団体ルーネルドのエリアス牧師が村に必要なものとして挙げたのが『コミュニティセンターの建設』と『クリーンな水』の2つでした。
建物を建てるというのは、私たちのような小さなNPOにとっては大変なことですし、夢のような話だと思っていたのですが、エリアスさんの方は本気でした。建設図面や見積もりを送ってきていたのですが、2012年には自ら村に土地を購入されました。私たちもその情熱に動かされ、2013年に募金を実施し、その資金を基に今年の春にセンターは無事竣工いたしました。

ケニアから送られてきた建築パース

これまでは野原にテントを張り、地面に直接机や椅子を置いて診療をしていました。
これはなかなかに過酷で、テントがあってもアフリカの太陽は容赦がありませんし、地面はでこぼこですので、机はガタガタして不安定でした。暑さのために体力を奪われて、体調を崩すこともありました。今年は全員が全日程休むことなく参加できたのですが、実はこれは画期的な事でした。
下の写真は昨年の採血の様子です。採血の担当の方はベテランで難なく仕事をこなしているように見えましたが、実際はかなりやりづらかったはずです。野外ですので、風でカルテが飛んで行かないように気を付けていないといけませんでした。

2013年の採血の様子

 

ゲム・イースト村に保健医療のための施設を

建築工事中も落成後もケニアから写真が送られてきていましたので、建物の様子はわかっていましたが、9月に医療キャンプのために村を再訪して、赤い屋根の建物が出来上がっているのを見たときは本当に感激しました。こんなに早く建物が出来上がるとは思ってもいないことでした。
センターのおかげで今年のキャンプはスムーズに運営され、受診者のトータルは昨年の4割増でした。

センターの目的はもちろんキャンプのためだけではありません。
今後、いかに稼働させていくかが課題です。医療から隔絶した環境にある村の人たちが安定的に診療や検査を受けたり、健康に関する情報を得られるような施設として運営していきたいと考えております。そのためにまず政府に公の『ヘルスセンター』としての認可を受けることが目標です。
ケニアの医療制度には課題が多いと聞いています。とりわけゲム・イースト村のような僻地の農村は政府の医療政策においても後回しにされがちだとのことです。
私たちの自立支援もセンターが完成したことでようやく第一歩です。これからもルーネルドとしっかり話し合い、現地の人たちに本当に役に立つ支援を続けていく所存です。今後とも私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤの活動へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

完成したコミュニティセンター



2014年8月8日金曜日

2014年ケニア・ゲムイースト村無料医療キャンプ


2014年度医療キャンプ



 私たちアフリカ支援 アサンテ ナゴヤは今年もケニア奥地の農村ゲム・イースト村にて無料医療キャンプを実施いたします。
 2009年のリサーチの旅から数えて6回目の訪問となります。村では毎年の医療キャンプは恒例として受け入れられており、今年も多くの村の人たちが私たちの来訪を待っていることでしょう。今年はコミュニティセンターの建設が完了していることが何より大きな違いです。昨年まではテントを張り、土の上にテーブルと椅子を並べて診療しておりましたが、今年は屋根の下での医療活動となります。
 私たちの来訪に合わせて、現地協力団体が開所式を企画しています。村の人たちや政府の担当者等を多く招いてのイベントとなるようです。日本の感覚では、建設完了からずい分時間がたってしまったように思えますが、式典には私たちアサンテ ナゴヤが同席しているほうがよいという判断なのでしょう。センターが村の中核的な施設であることを内外に印象付けることになることと思います。

 実際、村の健康支援、自立支援はセンターの建設によってようやく第一歩です。医療体制、クリーンな水、正しい健康情報などなど村に不足しているものは多くあります。現地協力団体ルーネルドとは常時eメールでやり取りを続けていますが、ケニアでは顔を合わせてしっかり話し合いをしてまいります。また皆様方にご報告申し上げますので、今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。



 
 
キャンプの様子をご理解いただけるよう、昨年2013年のキャンプにご参加くださった方の寄稿文をご紹介します。

2013年アサンテ・ケニア医療キャンプの感想

岐阜大学保健管理センター   西尾彰泰


今回はじめて、アサンテさんの医療キャンプに参加させていただきました。アサンテさんの活動は、イベントなどで良くお見かけしていたので、ご一緒したいなと思っておりました。さっそく機会を与えてくださったみなさんに感謝します。私自身の職種は、精神科医なのですが、2010年より、名古屋大学の国際開発研究科の大学院に入り、国際開発の勉強をしております。医学部の国際保健学科ではなく、国際開発研究科に入ったのは、単によくわかっていなかっただけのことなのですが、医療に限らず、経済開発や教育開発、社会開発など、様々な方向から途上国に関わる視点を持てたのは良かったと思っています。その関係で、先輩らが立ち上げた、ケニアで小規模の経済開発を行っているNPOに参加しています。そのNPOで、アフリカ関係のイベントなどに良くブースを出すのですが、アフリカをテーマにしたイベントでブースを並べるのはだいたい同じ顔ぶれですから、やがて、アサンテさんの活動を知るようになったのです。

 「ケニアで精神科医療を?」と思われるかもしれませんが、まだケニアはそんな段階にはなく、今回のキャンプで、私は受付を担当しました。私自身の関心も、医療キャンプでプレイヤーとして働くよりも、国際開発的な視点でマネージメントに関わることに興味がありましたので、受付を任せていただけたのは大変ありがたかったです。



受付がどういうものかと言いますと、1日におよそ200人の受診者が来ますので、それをつつながなく各科に割り振るというのが仕事です。今回のキャンプでは内科医5人、小児科医2人、皮膚科医1人、歯科医1人、鍼灸師2人の陣容だったのですが、どうしても小児科、皮膚科、歯科は渋滞しがちなので、様子を見ながら、小児科医でなくても大丈夫そうな年齢や症状の子供を、内科にまわすなど判断を行います。今回の場合のだいたいの基準ですが、3歳までの小児は、内科では困るだろうと思いましたので必ず小児科に、それから、嘔吐症状は小児科らしい症状ですので、そういう子供も優先的に小児科にまわすようにしていました。それから、ケニアでは皮膚疾患を持つ患者さんは、あまりにたくさんおりましたので、真菌感染やちょっとした湿疹、あるいは内科疾患由来らしい皮膚症状の人は、内科にまわすようにしました。そのため、皮膚症状はすべてこの目で見て確認を行いました。歯科だけは、他に回すということができませんので、その日の進行具合を見て、途中でお断りをすることもありました。結局、歯科治療を受けることができなかった人もいたので、それだけが残念ですね。それから、慢性痛を持つお年寄りには、積極的に鍼灸をお勧めしました。毎回、ケニア人スタッフに、私の説明をスワヒリ語やルオ語に通訳してもらうのは大変なので、数回目からは、ケニア人スタッフに「さっきの説明を彼女にもしてくれ」と頼めば、懇切丁寧に説明してもらえるようになりました。受付にはケニア人スタッフがたくさん入ってくれており、1日も一緒に仕事をすれば、こちらが何をやりたいかをおよそ理解してくれて、こちらが聞きたいことを先回りして聞いてくれたりなどするので大変助かりました。キャンプ後半には、判断に悩むときにアドバイスを求めたりしておりましたら、「それを判断するのはあなたでしょう?ドクター」と、やんわり釘を刺されたほど頼り切っておりました。たくさんのケニア人スタッフの中でも、特別に優秀な人が受付担当者の通訳として入ってくれますので、受付は恵まれたポジションだと言えると思います。

ケニアの印象についてですが、我々の活動する村は、予想と違って緑が多く、非常に美しい場所でした。逆に、途中で通過する茫洋と広がる半乾燥地帯のスケールも強く印象に残っています。ホテルから村に向かう道は、舗装されていない凸凹道がほとんどなのですが、その道をバスで揺られながら、どこまでも続くトウモロコシ畑を見ながら行き来するのが毎日の楽しみでした。ただし、これは体調を崩すと単なる悪路ですから、地獄のような道になります。ホテルの食べ物しか食べていないので、現地の人が食べているものを食べたわけではないのですが、食事は普通に美味しく、毎日夕食時にはビールを飲みながら、たくさん食べておりましたら、胃が動かなくなり、ずいぶん嘔吐しました。下痢はなかったので、食べ物にあたったわけではないと思います。やはり、慣れない場所で慣れないものを食べる場合には、腹八分を心がけるべきだと思いました。現地ではテンションが上がり、つい暴飲暴食をしがちですので、今度、はじめてケニアに行かれるかたは、その点に気をつけられると良いと思います。当たり前と言えば当たり前のことなのですが・・・。

私は、研究者ですし、国際開発学が専門のひとつですから、来年のキャンプでは、外部の人の検証に耐えうるしっかりとしたデータを取ったり、現地の人たちだけでも持続可能な仕組みを導入したりということもやれればと思っていますが、何よりも、トウモロコシ畑ばかりの電気も水道もないところで、素晴らしい仲間たちとハッピーな時間を過ごせること、それだけで十分という気もします。医師としての戦力になることはできませんが、来年も参加することができれば何より幸いです。




名古屋医療センター看護師 鈴木 泉

 

 日本でHIV・エイズ看護を行っているため、ケニアでの感染予防対策やゲムイースト村での感染率などに興味を持って無料キャンプに参加させて頂きました。無料キャンプ中に2回もVCT見学することができ、どちらともボランティアが中心となり予防啓発や検査、カウンセリングなど、その地域の人たちが同じ地域の人たちを支え合っていることがとても印象に残りました。

 ゲムイースト村での感染率は、日本全体の感染率と比べても比較にならないぐらい高いもので、予想はしていたものの、やっぱり驚きました。日本と違うのは、女性の感染率が高いということです。女性は母子感染を起こす可能性もありますが、文化や習慣の違いから女性の感染率を低下させることは難しい課題であると痛感しました。

 キャンプ中は、歯科ブースで先生の手伝いをさせて頂きました。歯ブラシを持っていない人が多ため虫歯が進行してしまっており、ほとんどの人が抜歯を希望するので、1日に何十本と歯を抜くのを手伝いました。器具の煮沸消毒も行わなければならず、初めての体験ばかりで毎日楽しんで手伝いさせてもらうことができました。

 短いキャンプ期間ではありましたが、多くの出会いと学びを得ることができました。機会があればまた参加させて頂きたいです。



2014年8月1日金曜日

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤ 活動のご報告

長い間ブログを更新せず、申し訳ありませんでした。
しかし、アサンテ ナゴヤはお休みしていたわけではなく、いつも通り活発に活動していました。
9月には無料医療キャンプに出かけます。今年はコミュニティセンターが完成したこともあり、キャンプにおいても色々と新しい試みをする予定です。

今年度の活動についてご報告させて頂きます。

【コミュニティセンターの完成】

お陰様で3月にコミュニティセンターの建設は無事完了いたしました。建設募金にご協力下さった方々にはニュースレターの形でご報告を差し上げました。
今後は、このセンターをいかに活用していくかが課題になります。
私たちの自立支援活動もこれからが本当の始まりだと思います。



【アースデイ飛騨高山に参加】

今年もアースデイ飛騨高山に参加いたしました。とても素敵なイベントで毎年参加させて頂くのを楽しみにしています。
高山にはアサンテ ナゴヤを支援して下さる方が多数いらっしゃいます。 今年もたくさんの方々にケニアの現状についてお知らせすることが出来ました。




【国際ソロプチミスト名古屋-中のイベント】

6月は大きなイベントが2つありました。27日に国際ソロプチミスト名古屋ー中のチャリティイベントに参加させていただき、多額のご寄付を賜わりました。
今年は、私どもアサンテ ナゴヤのブースをご用意いただき、完成したコミュニティセンターや無料医療活動の様子をお伝えすることができました。ご配慮に心より感謝しております。




【アサンテナゴヤ講演会の開催】

もう一つは私たちにとって大切な行事である「アサンテナゴヤ講演会」です。
6月29日、梅雨の晴れ間のとてもよい天気の日に、澤崎康先生をお迎えしました。澤崎先生はJICAのHIV専門家としてケニアに駐在されていました。私たちアサンテ ナゴヤも大変お世話になっており、コミュニティセンターの建設の際は大きくお力をお借りしました。
澤崎さんはケニアで現地の人たちと深く交わっていらした方です。そうした体験に基づいたお話はとても興味深いものでした。
当日は沢山の方にご参加頂きました。貴重なお話にご満足いただけたことと思います。


【第26回愛知サマーセミナー】

教えたいことを教え、学びたいことを学ぶ夢の学校『愛知サマーセミナー』が今年も開催され、アサンテ ナゴヤも講座を担当させていただきました。
 
ケニアに関する簡単なクイズの後、まず「エイズの基礎知識」を、続いて本題の「ケニアにおける無料医療活動について」のお話をさせて頂きました。
アサンテ ナゴヤの講座には毎年多くの中学生が参加して下さいます。「エイズの基礎知識」は、ちょっと難しかったかもしれませんが、HIV陽性者の方々の人権にかかわることや、これまでエイズ患者さんに関わってきた体験談は、皆さんの心に残ったことでしょう。




今回のサマセミのWADN講座中、マレーシア航空墜落事故の犠牲者の中に、オーストラリアのエイズ国際会議に参加される予定の方々が多数いらっしゃったことが何度か話題になりました。亡くなられた方の中には、長年HIV/AIDSの問題に尽力されてきた方が多くいらしたようで、とても悲しく残念です。心からご冥福をお祈りしたいと思います。

アサンテ ナゴヤは9月のケニア・ゲム村での無料医療活動に向けて準備を進めております。ケニアも市街地でテロが起きるなど決して安全な場所ではありません。

キャンプに向けて、現地協力団体ルーネルドの皆さんともメールを頻繁にやり取りしているのですが、彼らは毎年のキャンプを本当に楽しみにしてくれています。そして私たちの信頼に応えようといつも真剣に取り組んでいることがよくわかります。

私どもは心して気を引き締めて現地での活動を遂行させていただきます。今後ともご支援の程、よろしくお願い致します。






2013年11月30日土曜日

ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設状況のご報告



コミュニティセンター建設の進捗状況

2013年5月より8月までアフリカ支援 アサンテ ナゴヤはゲムイースト村建設募金を実施し、総額2,620,502円の温かいお志を頂きました。そのお金は8月に現地NGOルーネルドに送金いたしました。
ルーネルドは早速に工事を開始し、9月に私たちが無料医療キャンプのために訪れた際には、想像していた以上に早いペースで建設が進んでいました。

建設労働に従事しているのは村の人たちです。貧しい僻地の農村であるゲムイースト村では現金収入を得るための仕事がきわめて少ないため、今回のプロジェクトは村の人たちにとっては貴重な雇用の機会です。こうしたセンター建設の経済的恩恵については、ルーネルドが大いに強調していたところです。
キャンプの際に、村の人たちが生き生きと働いている姿は感動的でした。




 この度、アサンテ ナゴヤの2014年度第1回総会の開催に合わせて、ルーネルドより建設の進捗状況について詳細な報告が届きましたので、このブログでも内容をご紹介いたします。

建設は現在のところ順調に進んでいます。上の写真にありますように、屋根までできあがり、建物らしくなってきました。
9月のキャンプの時は下の写真のような 状態で、整地をしてブロックを積み上げている状態でした。





その後10月に以下の写真が送られてきました。
壁がほぼ積み上げられています。下の写真はトイレだと思われます。9月の時はまだ手をつけていませんでした。



以下が今回送られてきた写真です。
屋根が出来て、扉や窓も付き、ずい分建物らしくなりました。




以上のように、現在までのところ順調に建設が進んでいます。
12月中の完成を目標にしていると聞いています。完成しましたら、またこのブログでもご報告いたします。

現地への支援は建物が完成して、ようやく第一歩です。
備品の購入などもありますが、医療機関として稼働するためにはさまざまな課題が山積しています。
今後ともよろしくご支援を賜わりますよう、お願い申し上げます。





2013年9月24日火曜日

2013年度医療キャンプより帰って参りました。


医療キャンプのご報告

NPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは今年もケニア奥地の農村ゲム・イースト村に於いて無料医療キャンプを実施し、昨日無事帰国いたしました。

9月12日(木)に日本を発ち、翌13日(金)の午後ナイロビに到着しました。キャンプ地の村までバスで移動して、16日(月)から20日(金)までの5日間キャンプを実施し、村の人たちに無料で医療を提供して参りました。
ケニアの中でもこの地域はHIVの感染率が特に高く、医療を提供しながらHIV検査の受検を勧める医療キャンプはとても意義深いものでありました。

日本からは22名が参加し、現地で2名が合流し、総勢24名のキャンプでした。
また今年はJICAの元職員の方と海外青年協力隊として現地に赴任している方々もキャンプにご参加下さいました。今後そうした皆様と協力して活動を展開できるのではないかと、大いに期待しています。

ゲム・イースト村は高地なので、さほど気温は高くならないのですが、やはり赤道直下の日射しは厳しく、食べ物の問題もあり、体力を消耗しがちなキャンプの間は体調を崩された参加者もいらっしゃいました。
それでも帰国までに健康を回復し、全員元気に帰国できたことはなによりでした。
今年もキャンプ中には色々なことがありましたが、参加者全員で力を合わせて乗り切ることができました。


コミュニティセンターの建設

アサンテ ナゴヤでは5月より8月末まで『ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設募金』へのご協力をお願いして参りました。
大変多くの方々の温かいお気持ちを賜わり、当初の目標金額を大きく上回る募金総額2,620,502円(105件)を集めることができました。
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf

募金とは別にご寄附を頂いた300万円と合わせた約562万円を建設資金として、ケニアの協力団体RUNELDに提供する予定です。

今回のキャンプでは、その提供した資金がどのように活用されているかを確認することも大きなテーマでした。
ケニアでは何事もゆっくりとしか進まないとも聞いておりますので、現地に行っても何もご報告できることがないのではないかと懸念もしておりましたが、実際には写真のように建築が進んでいました。
私たちの医療キャンプの最中も建設作業は進んでおり、5日間だけでも工事の進展が見られ、とても嬉しく思われました。

ケニアでも消費税が増税されたり、物価が上がったりしているとのことですが、RUNELDは少しでも価格を抑えるために原材料を直接仕入れています。
また現金収入のない村に雇用を創出すべく、労働者として村人を雇うことを建設の条件としています。

私たちのケニアにおける協力団体RUNELDはとても誠実な方たちによって運営されています。
今回はかなり具体的な事柄を色々と質問してきたのですが、彼らはその全ての質問に真摯に答えてくれました。

建設は12月に完了の予定です。

キャンプやセンターの建設については、11月に開催予定のアサンテ ナゴヤの総会にて詳しくご報告する予定ですので、ぜひご出席をお願いします。

ともあれ今年も医療キャンプを実施し、無事に帰ってくることができました。
これは皆様の温かいご支援の賜物です。
心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

2013年9月9日月曜日

コミュニティセンター建設募金にご協力ありがとうございました

募金総額 105件 ¥2,620,502- 


私たちNPO法人アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは 5月から8月まで、ケニア・ゲムイースト村コミュニティセンター建設募金へのご協力をお願いしておりました。
2009年からアサンテナゴヤとして医療支援、自立支援を続けてきた、ケニア奥地の農村にコミュニティセンターを建設するための資金援助を目的とした募金です。
センターの建設により、村に医療がもたらされ、またHIV/AIDSに対する啓発活動や女性・子どもへのエンパワーメント活動の拠点とすることもできます。
募金についての詳細はこちらをご参照ください。
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf

建築の総事業費は500万円ほどと見積もられており、今回の募金はその内の200万円を集めることを目標としておりましたところ、8月末日の募金終了までに105件、2,620,502円のご支援を頂くことができました。
私たちが希望的に予想していたよりもはるかに大きな金額のご支援を賜わることとなり、驚くとともに深く感謝している次第です。
また、アフリカに対する健康支援に多くの方が関心を寄せていらっしゃることの表れでもあろうと思います。

実は8月中旬にケニアに236万円を送金済みです。ケニアの通貨で約200万ケニアシリングになります。皆様の大切なお志を一日でも早く形にして、ご報告できるように、ケニアでの建築申請の認可がおりたことを確認して、送金いたしました。
現在、建築資材の購入を開始していると連絡をうけています。

アフリカ支援 アサンテ ナゴヤは9月12日~23日の日程で、医療キャンプのためにケニアに渡ります。
その時に、建築の進捗状況を確認して、帰国後あらためてご報告したいと考えております。
今回は現地のVCT施設(Voluntary Counselling and Testing=カウンセリングを伴う自主的なHIV抗体検査)を訪問する予定です。
ケニアの医療の状況についても、あわせてご報告いたします。

この度の募金では、多くの方々よりたくさんのお志を賜わりました。
心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
これからもご支援をよろしくお願い申し上げます。


2013年6月19日水曜日

ケニアGEM EAST村 コミュニティセンター建設計画(3) 女性のエンパワーメント



今回はfacebookでのお友達ローレンス君の投稿をご紹介します。
ローレンス君は、アフリカ支援 アサンテ ナゴヤのケニアでの協力団体RUNELDのメンバーです。
医療キャンプを実施している農村ゲム・イースト村の重鎮、エリアス牧師の息子さんで、大学生です。
ローレンス君は真面目で、RUNELD以外にもいくつかの団体に所属して、地域のための活動を熱心にやっているようです。
そんな彼が、とても説得力のある文章を投稿したので、以下にご紹介させて頂きます。

これまで疑問に思ったことはある?
統計によれば、男性は一般に女性に比べて危険な性的な行動を取ることが多いことが分かっている。例えば、複数の女性と性交渉を持つことが多いとか。でも、だったら何故女性の方がより多く感染するのだろうか?

理由は大きく二つ挙げられる。

色々な理由が考えられるけど、生理学的な理由と社会経済的な理由だ。

 精液中のウイルス量は、膣粘液よりも多い。
膣の膜は、陰茎内のそれよりも薄い。

精液が膣内に長く残るために、女性の方が
顕微鏡的病変を生じやすい

社会経済的な観点から見ると、以下のようなことが挙げられる。

女性は痛みや不快感を受け入れる。
子供を産まなくてはならないという社会からのプレッシャー。
若い女性/青少年の社会的な脆弱性
女性は性的な問題の知識を欠いていて、そのことについて意見を表明できない。
安全なセックスをパートナーに要求できない。

この深刻な状況に対処する唯一の方法は、性的関係やそれらを取り巻く事柄に対して、より積極的な役割を担うことができるように、女性の地位を向上させることしかない。

もし、あなたがケニアの母親、若い女性や女の子のことを考えてくれるとしたら、それはすなわち私たちのコミュニティ全体の健康について真剣に懸念していることになります。

スラムの女性が自分たちでもできる経済活動を始めることを通じて、積極的に生き、相互扶助のグループを運営するための3日間のトレーニングを受けられるように支援して下さい。
このトレーニングは女性たちが健康的な方法で所得を得る技能を身につけ、そして自らの威厳と尊敬を回復するものです。彼女たちのほとんどが現在従事している仕事、すなわち売春やストリップダンスよりもよい機会を彼女たちに与えようとするものです。



ケニアあるいはアフリカにおけるHIV/エイズ感染の広がりと、それに関連した社会の有り様をわかりやすくまとめた文章だと思い、このブログでも紹介させて頂くことにしました。
RUNELDはその活動の重点を、女性やエイズ孤児のエンパワーメントに置いています。
女性や子どもたちが村の活動に能動的に参加することによって、村の有り様を変革しようとしています。
上記のローレンス君の文章は、こうしたRUNELDのポリシーを裏付けるケニアの現実を表していると言えるのでしょう。


エイズ動向委員会報告によれば、平成25年3月31日現在の日本国籍を有する人でHIV感染者は12,266名。その内訳は男性が11,449名、女性は817名です。
日本においては、HIV感染者の約93.3%が男性です。

一方、日本ユニセフ協会の 「子どもとエイズ」世界キャンペーン、ファクトシートによれば、ケニアの感染者の男女比は1対5とあります。80%以上が女性ということです。

男性よりも女性の方が感染しやすいことは日本でもケニアでも変わりないでしょう。
違うのは明らかに“社会経済的”な環境 ではないでしょうか。
私は女性のエンパワーメントは、日本も含めて世界中で必要であると考えています。しかし、こうしたHIV/エイズに関する状況を知ると、ケニアにおいて求められているエンパワーメントは、質的にも切迫性においても全く異なると感じます。

上記のユニセフのページにはこのように書いてあります。
サハラ以南のアフリカでは、特に若い女性たちにHIVを予防する知識が不足しています。この地域で、自分を感染から守る方法を知っているのは、15~24歳の女性の23%にとどまっています(同年齢の男性は31%)。ベニン、チャド、マリでは、10%未満です。
これらの国々の罹患率が高いのは、HIV/エイズとその感染路についての総合的で正しい知識を持つ人の割合が低いからと言えます。

ローレンス君の書いたような話はなかなかしづらいものです。男女の問題、性的な事柄はタブーに属すもので、特にアフリカではその傾向は顕著です。
しかし彼が書いているように、ケニアの女性の問題は、そのままコミュニティ全体の問題なのです。彼を含めてRUNELDのメンバーはそうした問題意識を持って、女性と子どもへのエンパワーメントを通じてコミュニティの生活改善を目指しています。
そのための拠点として現在計画しているコミュニティセンターがあるのです。

皆様、どうぞご協力をお願い申し上げます。

コミュニティセンター建設募金のご案内
http://asante-nagoya.com/bokin.pdf